初期投資と運転資金の計画
「初期投資」は、「里山年金」の構築を考えるにおいて、とても重要な要素です。これは、初期の段階で投入する費用やエネルギーが、長期的な収益性に大きな影響を与えるからです。この章では、兼業農家としての活動やビジネスモデルの構築を通じて、ローリスク・ミドルリターンを目指す「里山年金」の初期投資について詳しく考えていきます。
「里山年金」の戦略は、原則としてローリスク・ミドルリターンを目指します。つまり、初期投資は可能な限り少なく抑えつつ、安定した収益の確保を目指すのです。このため、新規兼業農家にとって農地法の下限面積撤廃により、就農必要面積が減ったことが大きなメリットとなりました。この変更により、農地や農業機械、農機具への初期費用が格安となり、投資リスクを軽減することが可能となりました。
しかしながら、栽培のみの事業モデルでは収益が上がりにくいのが現状です。このため、きちんとしたビジネスモデルの構築が不可欠となります。特定のニーズを満たす商品の提供や、地域の資源を活用した事業など、独自の戦略でビジネスチャンスを追求することが求められます。
また、一つの収入源に依存するのではなく、複数の収入源を作ることも重要です。具体的には、月額3万円程度の収益を複数確保し、それらを組み合わせて安定した収入を得ることを検討します。これにより、一部の収入源が予期せぬ問題で止まった場合でも、他の収入源によって生活を支えることが可能となります。
「運転資金」もいかに抑えるかを考える必要があります。既にあるものを利用する、またはレンタルや近隣の人から借りるなど、さまざまな費用を抑える方法を考慮します。これにより、ランニングコストの負担を大きく軽減することが可能です。
加えて、日本の農村地帯では高齢化が進行しています。引退や廃業を決断する農家が増えてきており、その結果、必要な農機具を格安で引き継ぐことが可能となるケースが出てきています。このため、可能な限り早期に農村に足がかりを持つことが重要となります。そうすれば、地域のネットワークを構築し、価値ある機会を掴む可能性が高まります。
具体的な例として、私自身が経験した出来事をお話ししましょう。昨年6月に私は、引退を予定している農家に、その農機具を引き継がせてもらえないかとお願いしました。そして10月に、その農家が廃業することになり、私が求めていた農機具を譲り受けることができました。半年も経たないうちに、こんなチャンスが舞い込んできたのです。農業協同組合新聞によれば、農業従事者の減少は、5年で46万人とのことですから、毎年、どれほどの人が廃業しているかわかります。
このような事例から、早期の行動と地域との繋がりが、運転資金の効率的な管理と活用において重要であることが分かります。コストを抑えつつ、必要なリソースを確保するための機会を見つけることで、小資本でも農業を始める道が開けるのです。
?兼業農家がはじめに絶対にやってはいけないこと?初期投資にお金をかけることです?❌また土日祝日程度しか時間がとれないことを前提に全てを組んでください?