兼業農家は認定新規就農者になれるのか?1000万もらえる噂は?

認定新規就農者とは

農家として生計を立てていこうとすると、農地取得は重要なのだが、さらに重要なのは、政府お墨付きの認定新規就農者の資格をとることですね👨‍🌾

実際、この資格の要諦は、計画がきちんと立てられていること、そして5年目に年250万円の所得を前提に許可を下すということです。注意すべきは、売上ではなく、所得ということになります。

ただここからが重要なのですが、兼業農家で認定が受けられるかという問題があります。つまり所得として、それだけの金額を立てることができるかということです。基本的な感覚からいうと、この金額を立てるのはなかなか難しいと言わざるを得ないでしょう。

しかし兼業農家は制度上認定が禁止されているかというと、そうではありません。問題は、250万の所得を兼業農家として5年後に上げられるかということになります。

時間などの制限がある兼業農家として、これを実現するためには具体的な方法の一つとして、当校ではオリーブ栽培を計画の柱として認定を目指してみようと考えています。この理由は、比較的オリーブは栽培管理が楽であること、また時間はかかるが収益が見込めることです。

また栽培物は出荷先が重要なのですが、これも見込み先があり、あとは5年後に目標に到達するための本数を確保することだけが重要となります。また収益自体は委託作業などもあるので、全て果樹だけで売り上げを作る必要もありません。もう一つの難点は、オリーブの栽培技術などの知見がありますが、こちらも睦沢町であれば、特産品に指定されており、実際に指導者もおりますので、そちらも心配ないかと思っています。

補助金を受けやすくなるのか?

認定新規就農者が対象の補助金は多いので、兼業農家でも取得が可能であると思いますが、認定新規就農者が特に対象となる「就農準備資金・経営開始資金」は取得が難しいでしょう。ニュースで話題になった1000万円が総額で受けられるという補助金です。その理由として、以下を参照してください。

交付対象者の主な要件(すべて満たす必要があります)
  1. 就農予定時の年齢が、原則49歳以下であること 独立・自営就農、雇用就農又は親元での就農を目指すこと
  2. 独立・自営就農を目指す者については、就農後5年以内に認定農業者又は認定新規就農者になること
  3. 親元就農を目指す者については、就農後5年以内に経営を継承する、農業法人の共同経営者になる又は独立・自営就農し、認定農業者又は認定新規就農者になること
  4. 都道府県等が認めた研修機関・先進農家・先進農業法人で概ね1年以上(1年につき概ね1,200時間以上)研修すること
  5. 常勤の雇用契約を締結していないこと
  6. 生活保護、求職者支援制度など、生活費を支給する
  7. 国の他の事業と重複受給でないこと
  8. 申請時の前年の世帯全体(親子及び配偶者の範囲)の所得が原則600万円以下であること
  9. 研修中の怪我等に備えて傷害保険に加入すること
参考
就農準備資金・経営開始資金(農業次世代人材投資資金)

この要件を見た際に兼業就農をはじめようとした場合に、年齢要件や常勤の雇用契約、世帯の所得が問題となってくるため、取得が難しいということとなるでしょう。ただし、この主たる補助金を別としても無利子融資やその他補助金などもあるので、順次規模を拡大し、認定を受けられる環境を作るべきです。

50代が認定を受けられない問題

認定新規就農者の年齢制限があり、一般的に50代で受けようとすると下記2の要件に該当する必要があります。

  1. 青年(原則18歳以上45歳未満)
  2. 特定の知識・技能を有する中高年齢者(65歳未満)
  3. 上記の者が役員の過半数を占める法人

これは経営経験などが問われることになるのですが、元農水官僚の橋本さんに寄れば、元々は年齢制限をしたくなかったが、財務省の指摘で制限され、2を作ることで、なるべく多く受け入れようとしたということでした。ただこの条件に当てはまらない人も、行政長の推薦があれば受けられるので、好意的な行政であれば、認定は可能になります。ただし経営開始資金は、そもそも兼業であれば、前年度収入600万円程度で受けられないため、あてにしない方がよいでしょう。

 ポイント 

やはり兼業農家のまま認定新規就農者を受けるのは、若干厳しいのも事実です。数年かけて、売上の実績を作るか、もしくは理解ある行政のサポートを受ける必要があります。当校では、農地取得は既に当たり前のため、第二段階として認定新規就農者の取得を生徒と共に目指しています。今回、2023年入学4期生が約9カ月で認定新規就農者の認定を受けました。現在、当校より6名が認定新規就農者資格を取得しました。

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