農家になるには?

農家になるには

農家になるには?

どうすればサラリーマンでも農家になれるのか?何をもってして農家というのかというのは、誰しも素朴な疑問としてあるでしょう。農家になることで免許がでるわけでもないため、わかりづらいのも現実です。今回は、いくつかの視点から農家になるということを考えてみます。

耕作者証明を取得できる

法的に農家になるには、各市町村の農地基本台帳に名前が記載され、申請すると「耕作者証明」がでる状態をいいます。相続や贈与によって農地を取得し、農地基本台帳に名前が掲載されることもありますが、そういう方は既に農家なので、ここでは新規に農地基本台帳にどうやって名前が掲載されるかということを検討します。

農家になる条件

  1. 農地取得、面積要件(2023年4月廃止)
  2. 適正利用・管理
  3. 年間150日従事要件
  4. 技術要件
  5. 地域調和要件

上記の要件が求められることとなります。1の農地取得の要件は、2023年4月より不要となりますが、農地を適正に利用すること、年間150日以上農業に従事すること、該当の農作物を栽培する技術を持つことが要件とされます。さらに、就農場所までの距離などの要件もあり、なかなかサラリーマンが思い立って、すぐに就農ということは難しいのが現実です。ただ、この要件を満たし、農地法の許可を得て農地を賃貸もしくは購入できれば、農地基本台帳に名前が掲載され、耕作者証明を取得することが可能となります。

 ポイント 

公的に農家として認められるには農地基本台帳に名前が掲載され、耕作者証明が取得できることが重要です。これとは別に営農証明書という営農の時間を証明するものもあります。

青色申告の申請で農業を事業として申請する。

耕作者証明が取得できなくても、税務署に農業を事業で営んでいるという申告は可能です。つまり税法上「農業」を事業で営んでいるという状況になります。小さな場所を借りて、道の駅などに出荷して売上が上がっている場合などです。ただし、法的に農家ではないため、各種制限がありますので、本格的に農業をやりたい場合にはよい状況とはいえないでしょう。

農家になる4つの方法

農家になる方法は、大きく分けて4つの方法があります。それぞれの方法には特徴やメリット、デメリットがありますので、自分のライフスタイルや目的に合わせて選択することが大切です。以下に、それぞれの方法を詳しく説明します。

1.雇用就農

既存の農家や農業法人に雇われて、農業の仕事をする方法です。経験や知識がない初心者でも、先輩農家の指導のもとで技術や知識を身につけることができます。初心者でも始めやすい方法の一つであり、経験を積んで独立することも可能です。

2.独立就農

自ら土地や設備を持ち、独立して農業を始める方法です。初期投資が必要ですが、自分の考える農業を実践することができます。独立するための資金や知識、経験が必要となるため、事前の準備や計画が大切です。

3.親元就農

家族が営む農家を継ぐ方法です。親や祖父母から農業のノウハウや土地、設備を引き継ぎ、新しい世代として農業を続けます。家族のサポートを受けながら農業を始めることができるため、リスクが低い方法と言えます。

4.兼業就農

本業とは別に、副業として農業を行う方法です。時間や資金の制約がある中で、小規模ながらも農業を楽しむことができます。本業との両立が必要となるため、計画的な時間管理や効率的な農業手法の取り入れが求められます。

以上の4つの方法を通じて、農家としてのキャリアを築くことができます。自分のライフスタイルや目的に合わせて、最適な方法を選択しましょう。農業は、食を支える大切な仕事です。多くの人々に安全で美味しい食材を提供するための役割を果たすことができるのは、農家ならではの魅力です。

ただし、ここで特に注意すべきは農家としての収入の確保が難しい点です。雇用、独立、親元、兼業のどの方法でも家族を賄う十分な収益をあげることが必要です。そのために、特に戦略を練ならなければなりません。チバニアン兼業農学校では、兼業農家に特化していますが、限られた時間の中で、どう収益をあげるかということを中心に講義をしています。

就農の問題点

農家になるにはと検索している方々の多くは、やはり就農を検討されているでしょう。しかしここでしっかりと考えて頂きたいことは、農家自体があまり儲からない産業であるということです。「農林水産省 令和2年農業経営体の経営収支」によると、全体の農業所得の平均は122.3万円です。同じ年の「国税庁 民間給与実態統計調査」によると、日本の平均年収は433万円。これを比較すると明らかに収益性が低いことがわかります。

多くの方々は、もちろんこの事情をわかった上で、就農したいと考えておられると思いますが、20代ならばともかく家族もいる身ともなれば、収入はしっかりと考えなければ続きません。実際、新規就農者の5年後の離農率は、3割を超していると農水省の統計で明らかになっています。

参考URL
新規就農者の35%が離農する現実

50代以上や副業、兼業就農、半農半Xに関して

就農

就農者の低い収益の問題に対して農水省は、各種支援金を用意し、新規就農に対して様々なサポートを行っていますが、対象が49歳以下という場合が多いため、50代以上の就農支援が薄くなっている現状があります。

実際に、農水省が主催する各種イベントなどでは、50代以上の方々を就農に導くようなブースはほとんどありません。これは元々が、就農が専業農家を中心に捉えられているからです。当校も出展の度に、人気ブースとなるのですが、その理由は、他のブースが受け入れない年齢層も対象としているからです。

ただし、2020年の政府の閣議決定において、半農半Xなどを含めて、多様な種類の就農を支援することを決定しました。このことにより、今後今まで対象外であった層への就農支援が充実してくるのではないかと考えられます。そのため副業や兼業での就農のハードルは下がる傾向にあるでしょう。

参考
新たな基本計画の農村振興施策の概要

農家になるメリット

農家になると以下のメリットがあります。

農家になるには

1.農家住宅、分家住宅の建設

市街化調整区域の土地や農地に自宅を建てることができます。また子供が独立の際に同様の住宅を建てられます。

2.新規農地取得

新規に農地の取得が可能となります。

3.各種補助金

農業者用の補助金が取得できるようになります。

4.兼業可能

農業は兼業を許可されやすい仕事です。

5.節税

個人事業主となることで、節税効果があります。

6.自家消費

年間16万の自家消費分野菜を節約できます。

7.倉庫建設可能

農地に200㎡以内の倉庫建設が可能です。

兼業農家の農地取得はどうしたらよい?

この場合は、元々農地を持っていた人ではなく、新規に農地取得をする場合の方法に関して書きます。まず農地自体を探さなければなりません。農地を探すためには、農水省が提供する「農地ナビ」を利用し、近隣の農地を探して住所を調べます。住所を調べると「登記情報ネット」で所有者を調べることができますので、直接赴いて農地の交渉を行うか、手紙などを出す方法があります。もしくは農業委員会に赴いて、空き農地を紹介してもらう方法もあります。

簡単ではないと思いますが、ここで地主の許可がでた場合、正式な契約にするには該当市町村の農業委員会の許可を得る必要があります。要求される資料を用意し、月末近くに開かれる総会にて、許可を得れば農家として認められることになるのです。以後は、農業委員会の農地基本台帳に名前と耕作地、面積が記載され、申請をすれば耕作者証明がでるようになります。

兼業農家という選択肢

就農の問題点を理解した上で、私たちチバニアン兼業農学校が提案しているのは、いきなりの専業ではなく、兼業就農という第二の選択肢です。なぜこの選択肢が今まであまり利用されてこなかったのかという経緯を説明しますと農業者の条件を満たすことが難しかったということがあります。また専業就農の学校はあれど、当校のような兼業就農に特化した学校が存在しなかったという点も大きいかと思います。まずは兼業就農することで、収入面でのリスクを大幅に低減し、例えば定年後に本格就農するなどの方法をとることも可能です。

農家になるには?YOUTUBE動画

元農林水産省官僚で、現在は農業関係専門の行政書士を営む橋本剛さんによる「農家になるにはどうしたらよいか」をわかりやすく解説した動画です。

農家になるには?を思う

農家になるには、壱岐

個人的に、子供の頃を思い出してみると離島ということもあり、周囲の家庭はほとんどが農家、そして兼業農家でした。元々、仕事のない離島の話ですから、農家でも収入が十分に得ることができず、出稼ぎに行く親が多かったようです。また農家というのは、大変辛抱のいる仕事でしたから、親は高校卒業後、教員、町役場、消防士、漁協、農協に務めながら兼業農家になることを望んだ結果が、同級生の親の職業でした。

そのため農家になるということは、個人的に特別なことではなく、むしろ普通のことと思っています。しかし一方でモダンタイムズではないですが、極端な都市化の結果、素朴で豊かな田園風景に憧れる都会の人が増え続けていることも事実です。これはスローフード活動や自然回帰の在り方にも見ることができます。

チバニアン兼業農学校は、これからも「農家になるには」という都市住民の夢をかなえていきたいと思っていますd[×´ω`]/

兼業農家となり、里山資源を利用する

里山

兼業農家の学校という特殊な立ち位置ですので、農家になるということだけではなく、就農時には里山を中心に農地を取得する訳ですから、農業含んで、様々な収益化の方法があります。これらは特に定年後に移住や二拠点した際に、重要な視点です。

例えば、農家が竹林から一時期採取するタケノコは、道の駅などでの販売により、年間60万円ほどになると言われています。また幼竹を利用したメンマなどは1.8mで、約1万8000円ほどに加工が可能です。その他でも、空家の再生や営農型太陽光発電や農泊など様々な収益をあげる仕組みが考えられます。大きな収益化が難しくてもスウェーデントーチ(丸太木)やドクダミ等の販売をメルカリなどで行っている人たちもいます。

これらは厳密には、農業の定義には入らないかもしれませんが、里山の資源を活用することで収益をあげる一助にはなるはずです。

大学生こそ、兼業就農

就農大学生

もともと、当校は学生は無料です。なぜならば若い人にこそ、農業に興味をもってもらいたいからです。大学生はモラトリアム(猶予期間)と言われるように時間があるからです。一般のサラリーマンより十分にある時間を活用して、兼業農家になることをすすめています。面白いのが、自分のキャリアを一切変更することなく、就農できる点です。大学生の方は、ぜひ当校で兼業就農を目指しましょうd[× ̄□]≪ 炎炎炎炎炎炎炎炎

関連サイト
学生部・チバニアン兼業農学校

【ChatGPT】農家になるには

農家になるためには、以下のようなステップがあります。

農業の知識を身につける

農業には知識が必要です。種まきや肥料の与え方、収穫時期、農作物の病気や害虫対策など、基礎的な知識を身につける必要があります。農業の専門学校や研修、実践的な農業体験などがあります。

土地を用意する

農業を行うには土地が必要です。自分で所有するか、借りるか、または共同農地を利用するなどの方法があります。土地の選び方や利用方法についても知識を身につける必要があります。

農業経営に必要なスキルを身につける

農業は単なる作物の栽培だけではなく、販売やマーケティング、会計、労働管理なども必要です。農業経営に必要なスキルを身につけることが大切です。

地域の農業組織に参加する

地域の農業組織に参加することで、農業の情報交換や助言、農産物の販売促進などの支援を受けることができます。

政府の支援制度を利用する

政府は農業者を支援するために、様々な支援制度を用意しています。農業者にとって有益な制度を利用することで、農業経営の安定化や拡大が図れます。

以上のようなステップを踏むことで、農家としてのスタートを切ることができます。ただし、農業は多くの労力と時間が必要な産業ですので、農家としての生活を始める前に、しっかりと計画を立て、準備をすることが重要です。

【ChatGPT】農家の定義とは

農家とは、農業を主業として営んでいる家族または個人のことを指します。農業は、畑作や果樹園、畜産、林業など、さまざまな分野がありますが、農家として扱われるためには、農業が主な生業であることが求められます。

また、農業を営んでいる家族や個人が所有する土地は、農地として指定されていることが多く、その土地で農業を行うことによって、食料や農産物を生産し、地域経済の発展に貢献しています。

ただし、近年は農業を副業として行う人も増えており、農業が主な生業でなくても、自分で栽培した農産物を販売するなどの形で、農家として扱われる場合もあります。

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