地方公務員も副業全面解禁間近！公務員副業10選、最強副業？

【注意喚起】副業するには再現性をまず考えよう

国家公務員や地方公務員の間で、副業の可能性を検討する方が増えています。長年同じ仕事に従事することによる飽きや、残業が少ない公務員特有の余暇時間の活用など、その動機は様々です。

副業を検討する際に最も重要なポイントは、その再現性です。例えば、YouTubeで月10万円の収入を目指すような場合、成功の確率は極めて低く、0.01%以下と言えるでしょう。このような再現性の低い副業には、公務員を狙った悪質なコンサルタントが存在することにも注意が必要です。

公務員が失敗のリスクを最小限に抑えて副業を選択するには、ローリスク・ローリターンの仕事が望ましいでしょう。例えば、農業のように習得に時間はかかるものの、確実に知識や技術を積み上げていける副業が適しています。実際に、地方の公務員の中には、独自の工夫を凝らすことで、大きなリスクを負うことなく収入を増やしている事例も見られます。

今後、少子高齢化が急速に進展する中で、優秀な公務員の労働力を効果的に活用することは、特に地方にとって重要な課題となるでしょう。副業にチャレンジする際は、十分な見識を持ち、慎重に取り組むことが大切です。

公務員副業成功事例

週5で公務員として働きながら、農業収入500万円！副業農業で稼ぐコツについて聞いた

公務員の副業成功事例として、週5日公務員として勤務しながら、副業の農業で年間500万円の収入を得ている例があります。このような成功を目指すには、最初は収益が小さくても再現性の高い副業を選ぶことが重要です。また、時間の経過とともに収益が増加していく副業を選択することも、長期的な成功につながる戦略と言えるでしょう。

公務員が挑戦可能な副業10選

公務員の副業として選択可能な活動は多岐にわたります。本セクションでは、公務員が副業として実践している、あるいは検討可能な活動を10種類紹介します。それぞれの副業について、その概要と再現性に関する私見を交えて解説します。これらの副業は、公務員の方々が持つ専門知識やスキルを活かしつつ、本業との両立が可能な選択肢として挙げられています。ただし、実際に副業を始める際は、所属する組織の規定や法律を遵守し、本業に支障をきたさないよう注意が必要です。以下に挙げる副業は、公務員の方々が自身のキャリアや生活を豊かにする可能性を秘めています。

農業

農業こそ、実は再現性100％の最強副業だといえるでしょう。まず栽培物は年間でおおよそいくらで買い取ってくれるかということの算段が経ちます。農地は、一般的には1反(1000㎡)を年1万円程度で借りることができます。この面積規模であれば、家庭菜園の延長でできるため、小さな耕耘機程度で耕作も可能です。ただし、問題はどの野菜がどの程度で販売できるか、近くに道の駅などがあり、高く販売できるか、技術はあるかという問題があります。また公務員のままどうやって農家資格を取得するかということも問題となります。この点は、改めて公務員の最強副業として次章でご案内します。

消防団や統計調査員

地域の消防団に参加することも十分な副業として許可されています。一般的な報酬としては、年間50,000円ですので、大きな副業とはいえませんが、地域貢献もできる意義深い副業です。また統計調査員とは、国勢調査や労働力調査などの調査票の配布・回収・点検を行う人です。こちらも数万円～10万円程度ということで、額は少ないですが作業報酬のため、確実性が高いです。

このような地域貢献型副業を見つけることができれば、再現性100％となるでしょう。加えて、これらの活動は公務員としての経験やスキルを活かせる場合が多く、本業との相乗効果も期待できます。また、地域社会との繋がりを深められるという点でも、公務員にとって有意義な副業といえるでしょう。

家庭教師、インストラクター

ヨガやフィットネス、楽器演奏などのインストラクターとして活動することもあります。趣味の分野を教えることで副収入を得ている人もいます。

個人教授が可能でニーズがあるようなスキルであれば、インターネットの仲介サイトなどで副業化することは可能でしょう。このスキルの中には、家庭教師であれば、まじめな公務員の方には向いているかと思われます。確実な副業の種類といえるでしょう。再現性80％

ライター・編集者

記事の執筆や編集業務を受けるフリーランスのライターや編集者として活動する人もいます。メディアや出版社からの仕事を受けながら、副業として行います。

ライターをするためには、出版社や新聞社と関係を持つ必要がありますが、なかなか仕事の合間見つけることが難しいと考えられます。ただし、最近では、アマゾンのキンドルなどを利用した電子出版は気軽に始めることができ、ストック財産として小さな収益を積み上げていくことは可能です。またChatGPTなどAIの発展により、代筆してもらうことも可能ですので、ハードルはかなり下がっているいえるでしょう。しかしセンスなどが必要とされるので、その点ではハードルが高いといえるかもしれません。再現性60％

インターネット通販・サービス

商品の販売やサービス提供を行う人もいます。手作りの商品やクリエイティブな活動が含まれることがあります。

インターネット通販であれば、合間時間にできる程度の商材であれば、公務員の副業に適していいます。ただし、自分で安く商材を得て、市場でニーズがあるものを用意する必要があります。これがないため、せどり(ネット転売)を進める悪徳業者がいますので、注意が必要です。地元の商材でインターネット通販ができない人の代行をして、手数料をもらうような形式であればリスクが少ないかと思われます。

また、デジタルコンテンツの販売や、オンラインでのサービス提供なども検討できるでしょう。例えば、電子書籍の執筆・販売や、オンラインでの知識・スキルの教授などが挙げられます。これらは場所や時間の制約が少なく、公務員の副業としても取り組みやすい可能性があります。

ただし、どのような形態であっても、公務員としての立場や職務との兼ね合いを十分に考慮し、適切な範囲内で行うことが重要です。再現性60％

クリエイティブ活動

絵画、イラストレーション、写真、音楽制作など、クリエイティブな分野での活動を副業として行う公務員もいます。自己表現や創造性を追求する場として活用されています。これらの活動は、個人の才能や技術を活かせる機会となり、精神的な充足感も得られます。

そもそも世の中がお金をだして評価してくれるような才能が必要な難しい副業ですが、この中でも様々な写真を撮影して、ネットにアップし、わずかな収益をあげるような方法は成り立ちます。例えば、セミプロ程度のイラストや写真だったとしても、ネットの無料サイトなどのフリー素材で販売することは可能でしょう。また、音楽制作においては、ストックミュージックサイトへの楽曲提供なども、継続的な収入源となる可能性があります。再現性60％

コンサルタント業

自身の専門分野でコンサルタントとしての活動を行うケースもあります。公務員としての経験を生かし、民間企業や団体にアドバイスを提供することがあります。今まで得た公務員として得た知見を活用し、様々な提案を中小企業に対して行うことで、コンサルタント費用をもらうことは、業種によってはニーズがあります。ただし、利益相反にならないように気をつける必要はありますので、書類の代行やホームページの作成、経営アドバイス程度であれば、十分に成り立つ可能性は高いでしょう。また、公務員の経験を活かした独自の視点や知識は、民間企業にとって貴重な情報源となる可能性があります。特に、行政手続きや法令遵守に関する助言は、多くの企業にとって有用であり、需要が見込めるでしょう。再現性40％

オンラインコース制作

オンラインプラットフォームを活用して、自身の専門知識やスキルを教えるコースを制作し、受講生から受講料を得ることができます。

世の中で何らかのニーズがある授業をオンラインコース化して販売することは、動画などが発展した現在においては、とても適しており、宅地建物取引士のように受験人数が多い資格などの授業には、ニーズがあります。ただし、実際にオンライン講座を作るほどの知識を持つのにとても時間がかかる点が難でしょう。また、競合も多いため、差別化を図るための工夫も必要となります。再現性20％

講師・講演活動

自身の専門知識や経験を活かして、講師や講演者として活動することもあります。セミナーや研修などで講義を行い、謝礼を得ることがあります。

公務員の講師のニーズは一定以上存在しますので、講師紹介サイトに登録したり、はじめは小さな講演からはじめて、HPや名刺などで紹介することで有名になることは可能です。ただし、そのニーズに合うかどうか、継続的に仕事となるかが問題となります。また、講演依頼の頻度や内容によっては、本業への影響を慎重に検討する必要があります。再現性10％

ブログ・アフィリエイト

自身の専門知識や趣味を生かしてブログを運営し、広告収入を得る活動です。公務員のなかには、専門分野や趣味に関する情報を発信することで収入を得ている人もいます。

実際に収益が上げる前に相当な知識が必要とされ、さらに、SEO(検索エンジン対策)などの勉強も欠かせません。ただし、妙な教材やコンサルなどに手を出さずに初期投資がなく、はじめるならば、リスクは少ない初心者的な副業だと言えるでしょう。継続的な更新と質の高いコンテンツ作成が求められるため、時間と労力が必要です。しかし、長期的に取り組むことで、安定した収入源となる可能性があります。再現性5％

なぜ農業が最強の副業なのか？を解説します。

農業が公務員の副業として最強である理由は、その高い再現性と許可の取りやすさにあります。農業は、他の副業と比較して、安定した収入を得られる可能性が高く、長期的な視点で見ると魅力的な選択肢となります。特に地方では、農業従事者の高齢化が進んでおり、労働力不足が深刻な問題となっています。このような状況下で、公務員が副業として農業に携わることは、地域社会にとっても大きな意義があります。公務員の知識や経験を活かしつつ、農業を通じて地域貢献することができるのです。

また、農業は季節や天候に左右されるものの、基本的な生産サイクルが予測可能であり、計画的に取り組むことができます。この特性は、本業との両立を図る上で重要な要素となります。さらに、農業は環境保全や食料安全保障といった社会的課題とも密接に関連しています。公務員が副業として農業に携わることで、これらの課題に対する理解を深め、政策立案や行政サービスの質の向上にも寄与する可能性があります。以上のような理由から、農業は公務員にとって最強の副業と言えるのです。

再現性は高い、しかし時間がかかる

農業は副業として高い再現性を持つ分野です。農産物の販売価格は、ある程度予測可能であり、一定の収穫量を確保できれば、年々収益性を向上させることができます。しかし、この安定性を得るまでには相応の時間と努力が必要です。

初心者でも農業を始めることは可能ですが、収益を上げられるレベルまで技術を向上させるには時間がかかります。例えば、果樹栽培のように収穫までに数年を要する作物もあります。ただし、本業からの収入があるため、長期的な視点で収益性の高い作物を選択することも可能です。

副業として農業に取り組む場合、限られた時間と労力の中で効率的に収益を上げる戦略が重要です。作物の選択、栽培方法、販路の確保など、様々な要素を考慮しながら計画を立てる必要があります。また、地域の気候や土壌条件に適した作物を選ぶことも成功の鍵となります。

時間の経過とともに、栽培技術の向上や地域とのネットワーク構築が進み、より安定した収益を得られるようになります。公務員としての本業と両立しながら、着実に農業のスキルを磨いていくことが、長期的な成功につながるでしょう。

兼業農家として、どの収益まで可能か？

兼業農家としての収益目標は、まずは月5万円程度から始めるのが適切でしょう。例えば、タケノコを道の駅で販売するだけでも、大都市圏では年間60万円ほどの売り上げが見込めます。また、仏花や門松、クリスマスツリーなど、特定の時期に需要が集中する商品も検討に値します。

週末だけの作業で収穫可能な作物として、里芋や茄子、南瓜などがあります。これらを道の駅などで販売することで、休日のみの労力で収入を得ることができます。さらに、自家消費による年間の節約効果は約15万円と言われています。

具体的な収益目標としては、数年間の経験を積んだ後、月20～30万円程度の副収入を得ることが可能です。この金額は、本業の公務員としての給与に加えて、生活の質を向上させる余裕を生み出すことができるでしょう。

また、兼業農家としての経験は、定年後の仕事としても活用できるという点で大きなメリットがあります。長期的な視点で考えると、公務員の副業として農業に取り組むことは、将来の安定した収入源を確保することにもつながります。

兼業農家は機械、土地がいくらでも手に入る。

実は、農業従事者の高齢化は、兼業就農を検討する人たちにとっては、逆にメリットの方が大きいようです。地元のライバル自体が減り、後継者もいないことから、農地やビニールハウスの引き継ぎ、機械を安く譲渡されるなど往々にして起こりえます。

兼業就農の大事なルールは、初期投資額を徹底的に抑えることです。ただ小さな農業をはじめ、地元と関係を作っていくだけで引退等により、必要な機械などが順次そろっていくことになるからです。

この状況は、特に地方の農村部で顕著に見られます。高齢化が進む農家の多くは、自身の農地や設備を次世代に引き継ぐことを望んでいます。そのため、兼業農家として真剣に取り組む姿勢を示せば、地域の農家から様々な支援を受けられる可能性が高まります。

例えば、使用頻度の低い農業機械を共同で利用したり、遊休農地を借りたりする機会が増えるでしょう。また、地域の農業者から栽培技術や地域特有の知恵を学ぶこともできます。これらの経験は、兼業農家として成長する上で非常に貴重なものとなります。

大都市圏公務員はどうすればよいのか？

農地がない地域で働く公務員の方々にとっても、農業を副業として始める機会が広がっています。農地の下限面積規制が緩和されたことにより、二拠点での就農や移住を伴う就農が容易になりました。実際に、当校のある睦沢町では、神奈川県大和市や川崎市など遠方から適宜時間を作って作業する就農者が増えています。郵便局員、消防士、地方鉄道職員など、様々な公務員の方々が新規兼業就農に取り組んでいます。

もちろん、農地がない環境では就農が難しく、里山のタケノコなどの資源も活用できません。そこで、まずは二拠点から始めることをおすすめします。関係人口として就農し、徐々に農業への関わりを深めていくことで、将来的には移住して本格的な副業としての農業を実現することができるでしょう。

大都市圏の公務員の方々にとっては、週末や休暇を利用した農業活動から始めることが現実的です。例えば、週に1-2回程度、農地のある地域に赴き、作物の管理や収穫を行うことから始められます。また、オンラインでの農業講座や地域の農業者とのネットワーキングを通じて、知識や技術を徐々に習得していくことも可能です。

さらに、大都市圏の公務員が農業に取り組む際には、地域の特性を活かした作物選びも重要です。例えば、都市近郊で需要の高い高付加価値な野菜や果物を栽培することで、限られた時間と土地でも効率的に収益を上げることができます。また、農産物の直販や都市住民向けの農業体験プログラムの提供など、副業の幅を広げる可能性も検討できるでしょう。

このように、大都市圏の公務員であっても、工夫次第で農業を副業として取り入れることは十分に可能です。長期的な視点を持ち、段階的にアプローチすることで、充実した副業としての農業を実現できるはずです。

ドローン農薬散布

ドローンを用いた農薬散布は、効率的かつ収益性の高い副業として注目されています。1反（約1,000平方メートル）あたりの散布料金は、一般的に2,500円程度が相場となっています。このため、近隣の農家から依頼を受けて10反の散布を行えば、25,000円の収入が得られることになります。

ドローンによる散布は非常に効率的で、10反あたりの散布時間は最短で15分程度です。理論上、一日で最大40反程度の散布が可能とされており、週末だけでも十分な副業となる可能性があります。

仕事を獲得する方法としては、主に二つのアプローチがあります。一つは、初回無料サービスの提供や知人への割引価格の提示など、地道な営業活動を通じて毎年少しずつ顧客を増やしていく方法です。もう一つは、仲介会社を通じて仕事を受注する方法です。後者の場合、1反あたりの料金は7,000～9,000円程度に上がりますが、指定された日時に現地でドローンを操作するだけで収益が見込めるため、比較的手軽に始められます。

実際の体験談によると、仲介業者からの依頼で1日の作業を行う場合、補助員と2人で10町（約10ヘクタール）程度の散布が可能で、約10万円の売上が見込めるそうです。ただし、この作業期間は主に7月から8月の短期間に集中します。

ドローン農薬散布を始めるにあたっては、150万円程度の初期投資が必要となります。これには、ドローン本体、バッテリー、農薬タンク、操縦訓練費用などが含まれます。しかし、効率的な作業と高い需要により、比較的短期間で投資回収が可能だと考えられています。

この副業は、農業に関心のある公務員にとって特に魅力的な選択肢となるでしょう。農業の知識を深めながら、最新技術を活用して収入を得られる点が大きな利点です。また、地域の農業支援にも貢献できるため、社会的意義も高いと言えるでしょう。

太陽光発電売電収入

政府の電力総量固定買い取り制度により、電力の売電が開始され、公務員の副業としても優良な事業でした。しかし、近年、農業者のみが可能な営農型太陽光発電の買取へと移行し、一般人として開始が不可能な事業となってしまいました。しかしながら、売電の永続性や事業性は高く評価され、昔の発電施設に高額な金額が買取価格がつけられています。

逆にいえば、農業者であれば、太陽光発電が実施でき、収益がとれる訳ですから、まさに就農を副業として行う公務員にとっては、有益な事業だといえるでしょう。この点からも、農業を副業として選択することの魅力が高まっています。営農型太陽光発電は、農地を活用しながら発電事業も行えるため、土地の有効利用と安定した収入源の確保という二つの利点を兼ね備えています。

公務員の副業の現状と動向

日本の国家公務員や地方公務員の副業解禁については、近年、徐々に進展が見られています。2019年には、国家公務員の副業に関する重要な改革が行われました。この改革では、「国家公務員の副業に関するガイドライン」が策定され、一般的な副業を許可する枠組みが整備されました。これにより、国家公務員の一部の職種や部署において、一定の条件下で副業が許可されるようになりました。

具体的な解禁内容としては、公益的な活動や特定の副業を許可する一方で、本業に支障をきたすおそれがある副業は制限されるなど、慎重な審査と規制が設けられています。この改革の背景には、公務員の働き方改革の推進や、多様な収入源を持つことの促進といった目的があります。

地方公務員の副業解禁に関しては、各自治体によって対応が異なりますが、2019年以降、いくつかの自治体で副業解禁の動きが見られるようになりました。これにより、地方公務員も副業を行うケースが徐々に増加しつつあります。

具体的な事例として、神戸市が2019年に導入した「地域貢献応援制度」が挙げられます。この制度では、市民活動や地域への貢献を目指す副業を支援する枠組みが整備されました。神戸市の取り組みは、他の自治体にも影響を与え、地域の実情に応じた副業解禁の取り組みが進められています。

総じて、公務員の副業解禁は、働き方の多様化や社会の変化に対応するために、慎重かつ柔軟な制度整備が進められていると言えます。ただし、解禁されている副業も、あくまで一定の条件や制約のもとで行われるため、公務員は関連する法律やガイドラインを十分に理解し、遵守しながら、適切な副業を選択する必要があります。

今後も、公務員の副業に関する制度や運用は、社会のニーズや経済状況の変化に応じて、さらなる見直しや改善が行われる可能性があります。公務員個人としても、副業に関する最新の動向や規制を常に把握し、適切に対応していくことが求められるでしょう。

国家公務員における兼業許可基準

国家公務員の兼業に関しては、国家公務員法や人事院規則に基づいて厳格な許可基準が設けられています。これらの基準は、公務員としての職務に支障をきたさないこと、公務の公正性や信頼性を損なわないこと、そして公務員の職務の能率的な遂行を確保することを目的としています。兼業許可の申請は、原則として事前に行う必要があり、所属長を通じて人事院に提出されます。許可基準は主に、兼業の内容、時間、報酬などの観点から設定されており、これらの条件を満たす場合に限り、兼業が認められることになります。なお、これらの基準は定期的に見直されることがあるため、最新の情報を確認することが重要です。

兼業時間数の基準

• 週8時間又は一か月30時間を超えない。
• 勤務時間が割り振られた日において1日3時間を超えない。

兼業先の基準

• 国、地方公共団体、独立行政法人、国立大学法人、地方独立行政法人等は可。
• 公益社団法人、公益財団法人、社会福祉法人、学校法人、更生保護法人、医療法人、特定非営利活動法人等は、活動実績の確認等が必要。
• 一般社団法人、一般財団法人、自治会・町内会、マンション管理組合、同窓会等は、活動実績の確認等を厳格化。

報酬の基準

• 社会通念上相当と認められる程度を超えない額。

参考サイト

国会公務員の兼業について(PDF)

公務員が副業を行うときの注意点

公務員が副業に取り組むときに心得ておきたい基本的な考え方をまとめました。副業を行う際には、本業への影響を最小限に抑えることが最も重要です。公務員としての職務遂行に支障をきたさないよう、時間管理や業務の優先順位付けを慎重に行う必要があります。また、公共の信頼を守ることも重要な点です。公務員は社会的信頼を受ける職業であるため、副業を行う場合でも、その活動が公共の信頼に悪影響を与えないよう細心の注意を払わなければなりません。

さらに、コンフリクト・オブ・インタレスト（利益相反）を避けることも重要です。本業と副業が競合する状況や、公務員としての立場と副業の立場で利害が対立する状況は避けるべきです。法律やガイドラインの遵守も不可欠です。公務員の副業には様々な規定があるため、これらを十分に理解し、遵守することが求められます。

社会的貢献や公益的な活動を重視することも大切です。公務員としての経験やスキルを活かし、社会に貢献できる副業を選択することで、より意義のある活動になる可能性があります。また、公的地位の利用は厳に慎むべきです。公務員としての立場や権限を利用して副業を有利に進めることは、倫理的に問題があり、避けなければなりません。

個人のスキルや興味を活かすことも考慮すべき点です。自身の得意分野や趣味に関連する副業を選ぶことで、モチベーションの維持や効率的な活動につながる可能性があります。透明性を持ってコミュニケーションを取ることも重要です。上司や関係者に対して、副業の内容や状況を適切に報告し、理解を得ることが大切です。

最後に、リスクを理解し、事前に計画を立てることが成功への鍵となります。副業には様々なリスクが伴うため、これらを十分に理解し、対策を講じた上で取り組むことが重要です。これらの点に注意を払いながら、公務員としての責務を果たしつつ、副業を通じて個人の成長や社会貢献を実現することが可能となるでしょう。

本業への影響を最小限に抑えること

副業を行うときに最も大事なのは、本業への影響を最小限に抑えることです。副業が本業の遂行に支障をきたすことがないように注意しましょう。本業の質や効率が落ちないよう、本業と副業のバランスを保つことが大切です。時間管理を徹底し、本業の業務に集中できる環境を整えることも重要です。また、副業による疲労が本業に影響を与えないよう、適切な休息を取ることも忘れずに。公務員としての責務を全うしつつ、副業を健全に両立させることが求められます。

公共の信頼を守ること

公務員は社会的信頼を受ける職業です。副業を行う場合でも、その活動が公共の信頼に影響を与えないように注意が必要です。社会的な倫理観を持ち、公共の利益に対する責任を忘れないよう心掛けましょう。公務員としての立場を常に意識し、副業活動においても公平性や透明性を保つことが重要です。また、副業の内容や規模が適切であるか、定期的に自己点検することも大切です。公共の信頼を損なうような行為や判断は厳に慎み、常に市民の目線に立って行動することを心がけましょう。

コンフリクト・オブ・インタレストを避けること

本業と副業が競合する状況や、利益相反の状態(コンフリクト・オブ・インタレスト)が生じないように注意しましょう。生じる場合や、公務員の職務と副業が類似した業務である場合、その副業は制限されることがあります。特に、公務員としての立場や情報を不当に利用することは厳しく禁じられています。副業を選択する際は、自身の職務内容や所属部署の業務との関連性を十分に検討し、疑義が生じる可能性がある場合は、上司や人事部門に相談することが賢明です。透明性を保ち、適切な判断を行うことで、公務員としての信頼性を維持しつつ、副業に取り組むことが可能となります。

法律やガイドラインを遵守すること

公務員の副業には法律や職務規程、ガイドラインが関わってきます。副業を行うときにはこれらの規定を遵守し、制約や条件を理解しておくことが重要です。各自治体や組織によって規定が異なる場合があるため、所属先の具体的なルールを確認することが必要です。また、法律やガイドラインの改正に注意を払い、最新の情報を把握するよう心がけましょう。これらの規定に違反すると、処分を受ける可能性があるため、慎重な対応が求められます。副業を始める前に、関連する法律やガイドラインを十分に調査し、必要に応じて上司や人事部門に相談することをおすすめします。

社会的貢献や公益的な活動を重視すること

公務員としての職務に支障をきたさない範囲で、社会的な貢献や公益的な活動を副業として選ぶことも考慮しましょう。地域や社会に対する貢献が評価されるケースがあります。例えば、地域のボランティア活動や非営利団体での活動、環境保護活動などが該当します。これらの活動は、公務員としての経験やスキルを活かしつつ、社会に還元する機会となります。また、このような活動を通じて得られる経験や人脈は、本業にも良い影響を与える可能性があります。社会貢献活動を副業として選択することで、公務員としての使命感を高めながら、個人の成長にもつながる可能性があります。

公的地位の利用の禁止

公務員の地位や職権を利用して副業を行うことは禁止されています。公的地位を私的利益に利用することは避けるべきです。これは公務員としての倫理や公平性を維持するために重要な原則です。例えば、自身の公務員としての立場を利用して特定の企業や個人に利益を与えたり、公務で得た非公開情報を副業に活用したりすることは厳しく禁じられています。公務員は常に公共の利益を最優先に考え、私的な利益追求と公務を明確に区別する必要があります。

個人のスキルや興味を活かすこと

副業は、自身のスキルや興味を生かして充実感を得る手段でもあります。自分が得意とする分野や趣味に関連する副業を選ぶことで、モチベーションが向上し、成果を上げやすくなるでしょう。また、副業を通じて新たなスキルを習得したり、既存のスキルを磨いたりすることも可能です。このように、副業は個人の成長や自己実現の機会としても活用できます。ただし、本業との両立を考慮しながら、適切な副業を選択することが重要です。

透明性を持ってコミュニケーションをすること

副業を行う場合、上司や関係者に対して透明性を持ってコミュニケーションを取ることが大切です。所属する組織や上司に報告したり、副業について適切な情報提供を行い、理解を得ることでトラブルを避けられます。また、副業の内容や時間配分、本業への影響などについて、定期的に報告や相談を行うことで、組織との信頼関係を築くことができます。透明性を保つことは、公務員としての誠実さを示すとともに、副業を円滑に進める上で重要な要素となります。

リスクを理解し、事前に計画を立てること

副業にはリスクがつきものです。収入の変動や時間管理の難しさなど、リスクを理解し、事前に計画を立てることが成功への鍵となります。冷静な判断と準備が重要です。また、副業を始める前に、自身の能力や経験、利用可能な時間などを客観的に評価し、実現可能な目標を設定することが大切です。さらに、副業に関する法律や規制を十分に理解し、コンプライアンスを遵守することも忘れてはいけません。リスク管理の一環として、副業による収入や支出を記録し、定期的に見直すことも推奨されます。このような慎重なアプローチにより、副業を持続可能なものとし、長期的な成功につなげることができるでしょう。

公務員と投資

投資を副業と考えた場合、以下の注意点を考慮することが重要です。公務員としての職務やルールに影響を与えないよう、慎重に取り組む必要があります。

投資活動は、公務員にとって魅力的な副業の選択肢の一つかもしれません。しかし、公務員の立場や職務の特性を考慮すると、投資を行う際には細心の注意を払う必要があります。公務員の投資活動は、法律や倫理的な観点から様々な制約を受ける可能性があります。

特に重要なのは、公務員としての立場を利用した不適切な投資行為を避けることです。例えば、職務上知り得た非公開情報を基に投資判断を行うことは、厳しく禁止されています。また、投資先が公務員の職務と関連する場合、利益相反の問題が生じる可能性があるため、慎重な判断が求められます。

投資を行う際は、透明性を保つことも重要です。所属する組織や上司に対して、投資活動について適切に報告し、理解を得ることが望ましいでしょう。また、投資活動が本業の遂行に支障をきたさないよう、時間管理にも十分注意を払う必要があります。

公務員が投資を行う場合、リスク管理も重要な要素です。過度なリスクを取ることは避け、適切な分散投資を心がけることが大切です。また、投資に関する知識や情報を継続的に学び、適切な判断ができるよう努めることも重要です。

最後に、投資活動に関する法律や規定は、国や地方自治体によって異なる場合があります。そのため、所属する組織や自治体のガイドラインを十分に確認し、遵守することが不可欠です。公務員としての信頼性や公正性を損なうことのないよう、常に慎重な姿勢で投資活動に取り組むことが求められます。

コンフリクト・オブ・インタレストの回避

投資先が公務員の職務と競合する場合や、利益相反の状態になる可能性がある場合、その投資は制限されることがあります。公務員としての立場と投資活動との間に利害の対立が生じないよう、十分な注意が必要です。例えば、自身の所属する部署の業務に関連する企業への投資は避けるべきでしょう。また、職務上知り得た情報を基に投資判断を行うことも厳に慎まなければなりません。常に公平性と透明性を保ち、公務員としての信頼を損なわないよう心がけることが重要です。

公的地位の利用の禁止

公務員の地位や職権を利用して副業を行うことは禁止されています。公的地位を私的利益に利用することは避けるべきです。これは、公務員としての倫理観を保ち、公平性と透明性を確保するために重要な原則です。副業を行う際には、公務員としての立場を利用せず、一般の個人と同等の立場で活動することが求められます。

情報の利用禁止

公務員として得た非公開情報をもとにした投資行為は禁止されています。内部情報を不正に利用することは法律違反です。このような行為は、公務員としての信頼性を損なうだけでなく、社会的に大きな影響を与える可能性があります。そのため、業務上知り得た情報の取り扱いには細心の注意を払い、個人的な投資判断に利用しないよう徹底することが求められます。公平性と透明性を保つことは、公務員の重要な責務の一つです。

金融業界への投資に注意

金融業界への投資はとくに注意が必要です。公務員の職務と競合する可能性や利益相反の問題が生じやすいため、地位や業務に影響を与えないように検討することが重要です。特に、金融機関の株式や債券への投資は、公務員としての立場や知識を利用しているとみなされる可能性があるため、慎重に対応する必要があります。また、金融商品の取引頻度や規模によっては、本業への影響が懸念される場合もあるため、投資活動の範囲や方法について、所属組織のガイドラインを確認し、適切に判断することが求められます。

情報開示と報告義務の履行

投資活動に関する情報開示や報告が求められる場合があります。所属する組織や上司に投資活動について正確な情報を提供することが求められます。これは、透明性を確保し、利益相反の可能性を防ぐための重要な手続きです。定期的な報告や、投資内容の変更があった際の速やかな届出など、組織のルールに従って適切に対応することが重要です。また、投資活動が本業に影響を与えていないことを示すために、必要に応じて詳細な記録を保管しておくことも有効な方法です。

リスクの理解と分散投資

投資にはリスクがつきものです。十分にリスクを理解し、過度なリスクを取らないようにすることが重要です。分散投資を検討することで、リスクを分散させることができます。投資対象や投資期間を適切に分散させることで、一つの投資先の損失が全体の収益に与える影響を軽減できます。また、長期的な視点で投資を行うことで、短期的な市場の変動によるリスクを抑えることも可能です。リスクとリターンのバランスを考慮し、自身の投資目的や資金状況に合わせた投資戦略を立てることが大切です。

職務遂行に影響を与えないこと

投資活動が本業の遂行に支障をきたすことがないよう、注意が必要です。本業の品質や効率を保つことが求められます。投資に関する情報収集や取引などの活動が、勤務時間中に行われることのないよう、時間管理を徹底することが重要です。また、投資活動によるストレスや疲労が本業のパフォーマンスに悪影響を及ぼさないよう、適切な休息を取ることも大切です。公務員としての責務を全うしつつ、投資活動を適切に管理することが求められます。

不動産投資の場合、自営に該当する基準としては、不動産又は駐車場の賃貸の場合、目安として、独立家屋5棟以上、アパート10室以上、賃貸料収入が年額500万円以上といった基準が示されていますので、これ以下ということが基準となります。

投資は個人の判断とリスクを伴うものですので、公務員としての職務やルールを守りながら慎重に取り組むことが大事です。また、法律や規定は自治体によって異なる場合もあるため、所属する組織や自治体のガイドラインを確認しましょう。

公務員の副業に関する規定や罰則は？

公務員の副業に関する規定や罰則は、国や地方自治体によって異なる場合があります。一般的な傾向を以下にまとめてみました。ただし、具体的な情報は最新の法律やガイドラインを確認することが必要です。

副業を行う際には、本業への影響を最小限に抑えることが重要です。多くの場合、副業の内容や時間数に制限が設けられており、これらの規定を遵守する必要があります。例えば、週当たりの副業時間数や、副業先の業種に関する制限などが定められていることがあります。

また、副業を始める前に、所属組織への届出や許可申請が必要となる場合が多いです。この手続きを怠ると、懲戒処分の対象となる可能性があります。

公務員の副業に関する罰則は、違反の程度や内容によって異なります。軽微な違反の場合は注意や指導にとどまることもありますが、重大な違反の場合は、戒告、減給、停職、さらには懲戒免職といった厳しい処分が科される可能性があります。

特に、職務上知り得た情報を不正に利用した副業や、公務員としての立場を利用して不当な利益を得るような行為は、厳しく罰せられる傾向にあります。

公務員が副業を行う際は、これらの規定や罰則を十分に理解し、適切に行動することが求められます。不明な点がある場合は、所属組織の人事部門や上司に確認することをお勧めします。

副業を行うときの手続き

公務員が副業を行う際には、いくつかの手続きが必要となります。これらの手続きは、公務員としての本業に支障をきたさないことを確認し、透明性を保つために重要です。具体的な手続きは所属する組織や地方自治体によって異なる場合がありますが、一般的には以下のようなものが含まれます。まず、副業の内容や予定スケジュールを詳細に記載した申請書を提出することが求められます。この申請書は、上司や人事部門によって審査され、承認を得る必要があります。また、副業による収入が一定額を超える場合には、確定申告が必要となることがあります。さらに、定期的に副業の状況を報告することが求められる場合もあります。これらの手続きを適切に行うことで、公務員としての信頼性を維持しつつ、副業を円滑に進めることができます。

自営兼業承認申請書の提出

所属する組織や地方自治体によっては、「自営兼業承認申請書」の提出が必要な場合があります。この申請書は、副業の内容やスケジュールを詳細に記載し、主たる職務に影響を及ぼさないことを確認するためのものです。申請書には、副業の具体的な業務内容、予定される勤務時間、収入の見込みなどを明記することが求められます。提出が求められる場合は、正確かつ透明性のある情報を提供し、組織の規定に従って適切に手続きを行うことが重要です。また、申請後も定期的に副業の状況を報告し、必要に応じて申請内容の更新を行うことが望ましいでしょう。

所得を家族名義にしない

公務員の副業収入は、本人の名義で受け取ることが求められます。副業の収益を家族名義で得ることは避けるべきです。家族名義にすると、収益の隠蔽や所得隠しの疑いが生じる可能性があります。また、税務上の問題を引き起こす可能性もあるため、適切な名義で収入を管理することが重要です。透明性を保つことで、公務員としての信頼性を維持し、法令遵守の姿勢を示すことができます。

収益が20万円以上なら確定申告が必要

副業の収益が年間で20万円以上に達する場合、確定申告が必要です。収益が一定額を超えると、税金がかかる可能性があるので、収益を管理し、必要な手続きを適切に行いましょう。副業による所得は、給与所得とは別に計算され、合算して総所得金額が決定されます。確定申告を怠ると、追徴課税や加算税などのペナルティが課される可能性があるため、注意が必要です。また、副業の内容によっては、個人事業税や消費税の納付が必要になる場合もあります。税務署や税理士に相談し、適切な申告を行うことをおすすめします。

副業は公務員の働き方の選択肢の一つとして魅力的ですが、ルールを守って行うことが大切です。地域や組織によって異なるガイドラインを確認し、円滑に実施できるよう準備しましょう。

罰則

公務員の副業に関する罰則は、違反内容や自治体によって異なりますが、一般的に軽微な違反から重大な違反まで段階的に設けられています。罰則の種類や程度は、副業の内容、違反の程度、職務への影響などを総合的に判断して決定されます。

具体的な罰則の例としては、軽微な違反に対する注意や指導から始まり、給与の減額、戒告、減給などの処分が行われることがあります。さらに重大な違反や違法行為があった場合には、懲戒免職といった厳しい処分が科される可能性もあります。

これらの罰則は、公務員としての信頼性や公平性を維持し、適切な職務遂行を確保するために設けられています。副業を行う際には、所属する組織や地方自治体のガイドラインを十分に確認し、法令遵守の姿勢を保つことが重要です。

注意・指導

軽微な違反の場合、まずは注意や指導が行われることがあります。副業の内容を適切に修正するよう求められることもあります。これは、公務員としての職務遂行に支障をきたさないよう、また公務員倫理に反しないよう、軌道修正の機会を与えるものです。注意や指導は、より厳しい処分を避けるための初期段階の対応として位置づけられています。

給与の減額

副業による職務遂行の支障や本業への影響が大きい場合、給与の減額などの処分が行われることがあります。この処分は、公務員としての責務を果たす上で重要な警告となります。給与の減額は、副業が本業に与える悪影響を是正し、公務員としての職務に専念する動機づけとなる可能性があります。ただし、具体的な減額の程度や期間については、各自治体や組織の規定によって異なる場合があります。

戒告・減給

副業に関する重大な違反があった場合、戒告や減給などの処分が科されることがあります。これらの処分は、公務員としての信頼性や職務遂行能力に疑義が生じた際に適用される可能性があります。戒告は口頭または文書による厳重な注意を意味し、減給は一定期間の給与カットを伴う処分です。これらの処分は、副業規定違反の程度や回数、影響の大きさなどを考慮して決定されます。

懲戒免職

副業に関する重大な違反や違法行為があった場合、懲戒免職といった厳しい処分が行われる可能性があります。これは、公務員としての信頼性や公正性を著しく損なう行為に対して適用される最も重い処分の一つです。例えば、職務上知り得た情報を不正に利用して副業を行った場合や、本業の職務遂行に重大な支障をきたすような副業を継続した場合などが該当する可能性があります。公務員は社会的信頼を受ける立場にあるため、副業を行う際には常に高い倫理観と責任感を持つことが求められます。

具体的な罰則は法律や規定によって異なるため、自身が所属する組織や地方自治体のガイドラインを確認し、遵守しましょう。

地方自治体における副業の現状は？

地方自治体の中には、副業を積極的に支援し、柔軟な働き方を提供しているところが増えています。これは、地域の活性化や人材確保、さらには職員のスキルアップを目的としたものです。多くの自治体が、公務員の副業に関する規定を見直し、一定の条件下で副業を認める傾向にあります。

ただし、副業の許可基準や範囲は自治体によって異なります。一般的に、本業の公務に支障をきたさないこと、利益相反を避けること、公務員としての信頼性を損なわないことなどが条件とされています。また、副業の内容や収入について、事前に申請や報告を求める自治体も多くあります。

地方自治体における副業の現状は、徐々に柔軟化の方向に向かっていますが、同時に慎重な姿勢も見られます。公務員の副業は、地域貢献や個人のスキル向上といったメリットがある一方で、公務への影響や利益相反のリスクも考慮する必要があるためです。

今後は、より多くの自治体が副業に関する明確なガイドラインを策定し、公務員の副業を適切に管理しながら、その利点を最大限に活かす方向に進んでいくと予想されます。

新富町(宮崎県)

地方創生を促進し、地域の活性化を図るために副業の解禁を決定しました。地方自治体として、新しい働き方を広めることで人材の流出を防ぐ意向もあります。職務遂行に支障をきたさない範囲で副業を行うことが許可され、地域貢献や地域経済の活性化につながる副業を奨励しています。この取り組みは、地域の特性を活かした産業育成や、地元企業との連携強化にも繋がっています。また、公務員の多様なスキルや経験を地域社会に還元する機会としても機能し、住民サービスの向上にも寄与しています。

神戸市(兵庫県)

地域活動やボランティアに副業として参加し、地域の発展に寄与することを支援する目的で「地域貢献応援制度」が導入されました。一定期間の副業実施に対しては、所定の手当や休暇が支給されるなど、地域貢献を奨励する仕組みが整備されています。この制度により、公務員が地域社会との関わりを深め、より良い街づくりに貢献することが期待されています。また、副業を通じて得られた経験や知識を本業にも活かすことで、公務の質の向上にもつながる可能性があります。

生駒市(奈良県)

神戸市の｢地域貢献応援制度｣を参考に、地域振興や地域イベントへの参加を通じて、地域に根ざした副業を推進しています。地域の魅力を発信し、市民の活動に公務員が参加することで、地域社会との結びつきを深めています。この取り組みは、公務員の地域理解を深めるとともに、地域住民との交流を促進し、より効果的な行政サービスの提供にもつながっています。また、公務員の多様な経験や専門知識を地域活動に活かすことで、地域の課題解決や活性化にも貢献しています。

公務員の副業は多様な選択肢がありますが、本業への影響や法律などをしっかり理解し、慎重に進めることが大切です。自身のスキルや興味に合った副業を見つけ、健全なバランスを保ちながらチャレンジしてみましょう。

当校の公務員就農事情

当校でも過去9人の公務員、もしくは準公務員の方々が入学し、修了後に就農を始めています。現在、国家公務員は条件を満たすことで副業が解禁となりましたが、地方公務員や準公務員の場合には、まだ明確な基準がなく、やや取り組みづらい状況のようです。しかし、少なくとも小規模で販売をせず、農業のスキルを磨くこと自体は問題がないはずです。多くの方が、近い将来の全面解禁に向けて、就農の準備を進めているというのが実態でしょう。

公務員の中でも、特にチバニアン兼業農学校への入校者数が多い職種は、パイロットと海上自衛隊の方々で、それぞれ3人ずつとなっています。これらの職業が持つ特有のスケジュールやライフスタイルが、農業という副業に適していることを示唆しているかもしれません。パイロットや自衛隊員は、職務の性質上、長期の休暇を取得しやすい場合があり、このような時間を有効活用して農業に携わることができるのです。

また、これらの職業に就く方々が農業に興味を持つ背景には、自然との触れ合いや、手を動かして何かを育てるという体験を通じて、精神的な充実を求める動機があるかもしれません。職業生活で経験する高度なストレスや責任感からの解放、または違った種類の達成感を農業から得られると感じているのではないでしょうか。

睦沢町近くでの生活を検討している方々が、サーフィンなどの趣味を楽しむことと並行して、農業に関心を持つことは、彼らが求める理想的なライフスタイルの一環と考えられます。チバニアン兼業農学校では、このように多様な背景を持つ公務員の方々に対しても、農業を通じて新たな価値を見出し、充実した生活を送るための支援を提供しています。

さらに、当校では公務員の方々向けに、副業としての農業に関する法的な側面や、本業との両立方法についてもアドバイスを行っています。これにより、公務員としての責務を果たしながら、安全かつ効果的に農業に取り組むことができるよう支援しています。