伊藤家のオリーブ(1)

私たちチバニアン兼業農学校のブログをご覧の皆さん、校長の私が今回紹介するのは、本校の4期生である伊藤さんの新しい挑戦についてです。伊藤さんは60代を迎えたばかりで、還暦を超えてもなお、農業に対する情熱を持ち続けています。彼は睦沢町大上地区に新たなステップとしてオリーブのポット栽培を始めることを決意し、そこに2反の土地を借りました。これまで田んぼを営んでいた経験を活かしつつ、新たな試みとしてオリーブ栽培に挑戦することは、年を経ても変わらない彼の農業への熱意を示しています。

伊藤さんは、元々建設系の会社の社長という背景を持っており、その技術と経験を農業にも生かしています。彼の農場では、オリーブ専用の架台を自ら設計し、その丁寧な作りはまるで専門家の手によるもののようです。また、農場の一角には合法的に設置したトレーラーハウスがあり、長時間の農作業後の休息所として大変役立っています。彼の農場では、オリーブの盗難防止対策もしっかりと行われており、様々な安全策を講じていることからも、彼の農業に対する真剣さが伺えます。

さらに、伊藤さんは睦沢町内で稲作も行っており、3反の田んぼを耕作しています。昨年の収穫は地域内で非常に好評で、提供した知り合いからはあっという間になくなるほどでした。彼の農産物は、その品質の高さから多くの人々に支持されています。また、彼は地元の当校OBとしても中心人物として活躍しており、地域の農業コミュニティを結束させる役割を果たしています。

伊藤さんのように定年を迎えた後も農業を楽しむ生活は、現代において非常に求められている生活スタイルです。ご夫婦で協力しながら、毎日を充実させる彼の姿勢は多くの人にとって大きな魅力となっており、これから農業を始めようと考えている人々にとっては大きな刺激となるでしょう。伊藤さんのこれからの活躍が非常に楽しみですし、彼の農業への情熱や努力が、これから農業に挑戦する人たちにとってのモデルとなることを心から願っています。

農地の活用方法に関して

農地は基本的に栽培のために利用することが原則ですが、人間がやることですから休息場所や洗い場、トイレや倉庫なども必要です。また家を建てることは許可されていません。しかし倉庫は、届出を農業委員会に出すことで200㎡内であれば可能です。

伊藤さんの場合は、トレーラーハウスであり、常設でないということで、基本的には車を駐車場に止めている状態となり、法的には農地でも問題ありません。もちろん、駐車場を作ることは許可されています。

今回、この伊藤さんの場所を見学して思ったのですが、農地は格安で借りることができますが、一方で他の高額な土地と変わらず、空間として考えてみれば、このような新たなライフスタイルを自然溢れる空間で適度な作業を行いながら誰でも得ることができるのです。

今後、当校でも都市計画や農振法区分に基づいた農地の最適利用を実証していきたいと考えています。

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生徒インタビュー・4期生・伊藤 満さん(62歳)・千葉県千葉市在住
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