肉ビジネス~食べるのが好きな人から専門家まで楽しく読める肉の教養

肉ビジネス

日本旅館の息子なので、子供の頃から刺身に囲まれて育ち、反発となったのか、肉がとにかく好きだった。また祖父が獣医だったので、父が肉処理場を紹介してもらい、そこからハラミとホルモンを大量に買って、旅館の冷蔵庫にストックしていた。父の少ない蔵書の中に、世界の肉の本があり、その本の中でステーキを含め、タルタルステーキを覚えたのは、小学5年生の頃だったか。それ以来肉に取りつかれていたと思ってきたが、作者はそのレベルではなかった。
主に肉を食べるという観点から「肉ビジネス」といいながら、ほとんど全て牛肉の話-様々な観点から肉を解説している本で、簡略に書かれているが読みごたえがあった。考えてみれば、農業の中でキングオブキングスは、やはり牛肉といえる。ぜひ放牧で牛を肥育してみたいと思った。
本の概要
年間300日和牛を食べる「肉バカ」が教える、ビジネスパーソンが知っておきたい「肉の教養」
▼日本の和牛はグッチやルイ・ヴィトンのように、世界が誇る「ブランド品」になる
焼肉やステーキをこよなく愛し、その魅力をInstagramやYouTubeで発信し続け、海外セレブにも肉を振る舞った経験のある著者による、世界に誇るべき日本の牛肉文化について紹介します。
本書は、肉にまつわるビジネスの話から、肉産業の歴史、肉の美味しさを決める要素の解明、焼肉の味わい方、海外で評価される和牛の魅力など、明日からすぐに使える豆知識を紹介する「和牛の入門書」です。
・国産牛と和牛の違い
・和牛における但馬牛の存在
・性別による味わいの違い
・肉の美味しさを決める要素
・牛肉のセリで行われていること
・肉の冷凍技術の進化
・焼肉における本当の希少部位
・美味しい焼肉の食べ方
・海外で和牛が好まれる理由
・ハラル認証への取り組み
など、ビジネスとしてだけでなく、肉を食べる、楽しむためのコンテンツが詰まった1冊です。
【読者特典】肉バカが教える、一生に一度は行ってみたい焼肉・ステーキ店リスト15選
▼本書の構成
第1章:和牛から学ぶ肉ビジネスの世界「国産牛」と「和牛」は何が違うのか
肉産業の歴史
肉産業で行われる検査ほか
第2章:キーワードに学ぶ美味しさの世界
肉の格付けは味に関係があるのか
性別による味の違いはあるのか
経済効率と美味しさのバランスほか
第3章:東京食肉市場に学ぶ枝肉流通の世界
国内最大の肉の取引所「芝浦市場」
枝肉のセリでは何が起こっているのか
和牛が高くなる理由ほか
第4章:美味しさの観点から学ぶ鮮度の世界
「冷凍肉は美味しくない」は本当なのか
冷凍技術の進化
熟成の世界ほか
第5章:カルビとロースに学ぶ焼肉の世界
カルビとロースはどこの部位か
焼肉ブームの流れ化学調味料の存在ほか
第6章:焼肉に学ぶ内臓流通の世界
本当の希少部位はタンとハラミ
黒タンは黒毛和牛のタンだけではない
内臓処理による品質の違いほか
第7章:生肉と火入れから学ぶ温度の世界
生食の歴史とリスク
温度が肉の美味しさを決める
薄切りの難しさほか
第8章:海外から学ぶWagyuの世界
世界に広がるWagyu
海外で食べられる和牛の種類
和牛とWagyuは何が違うのかほか
第9章:これからの肉ビジネスの世界
肉産業の環境と倫理問題
減少し続ける生産農家
仲卸業者・精肉店の未来ほか
終章:外国人に日本の肉を振る舞う
著者について
小池克臣(こいけ・かつおみ)
普通の会社員で肉の求道者
1976年、神奈川県横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。焼肉を中心にステーキやすき焼きといった牛肉料理全般を愛し、さらには和牛そのものの生産過程、加工、熟成まで踏み込んだ研究を続ける。
2024年現在、Instagram4.2万人、YouTube「肉バカ 小池克臣の和牛大学」の登録者は2.7万人。和牛への愛に満ちたコンテンツには海外のファンも多い。
座右の銘は「見て聞いて満足するな! 肉は食べなきゃ何も分からない!」
著書に『No Meat, No Life.を実践する男が語る和牛の至福 肉バカ。(集英社)』がある。