定年後の仕事は農業がおススメ

農業を定年後の仕事にしよう。

現代社会では、コンビニエンスストアやレストランなどで働くスタッフの高齢化が顕著に見受けられます。例えば、70代の高齢者が留学生からレジ操作を教わっている光景や、デニーズのような飲食店で高齢の女性スタッフが働いている様子は、社会の変化を象徴しています。こうした場面からは、年齢に関係なく働く機会が増えていることの証左であり、それ自体は肯定的な現象です。しかし、制服が高齢者の体型や動きやすさを考慮していない点など、働きやすい環境づくりにはまだ改善の余地があるようです。

この背景には、高齢者が経済的な理由や社会参加の意欲から労働市場に残る傾向があり、今後は高齢者同士の仕事の奪い合いが起こる可能性も指摘されています。さらに、経済評論家の森永卓郎氏が提唱するように、「株を買うより農地を買え」という農業への参入も、人手不足が深刻な農業分野における一つの解決策として注目されています。農業における高齢者の参入は、労働力不足を緩和し、農業経営に新たな活力をもたらす可能性があります。

参考
コンビニバイトができる限界年齢。実際に働く人のリアルな声
もたつく高齢者のコンビニバイトに「プロなら仕事を覚えろと言うべきか」という投稿に「その人は将来の私達」という反応

定年後の仕事になぜ農業が向くのか?

農業における派手な儲けは難しいものの、定年後の人々が月に10~20万円程度の収入を得ることは決して難しいことではありません。現在、日本の農業は高齢者に大きく支えられており、特に農村では高齢化が進み、慢性的な人手不足が問題となっています。このため、草刈りや農業の後継者不足は深刻な課題です。

定年後に必要な収入が月10万円程度であることを考えると、農業は有効な収入源となり得ます。居住場所を農業が可能な環境に移すことで、農産物の販売だけでなく、観光農園の運営やイベントの集客など、様々な副収入を得ることが可能です。

私自身が50歳からの就農を提唱しているのは、10年間あれば農業に関する経験を積み重ねることができ、オリーブなどの果樹栽培においても十分な収穫を期待できるからです。また、この期間は観光農園運営やイベント集客に必要な知見を身につけるには十分なものです。

このように、定年後に農業に携わることは、収入面だけでなく、社会貢献や生活の充実感を得る意味でも有益な選択肢です。農業の多様な可能性を探求し、農村地域の活性化に貢献することが、今後ますます重要になってくるでしょう。

ローリスク、ミドルリターンの定年後の仕事

例えば、オリーブ栽培について考えてみましょう。1反当たり40本を植える場合、約6年後から年間40万円の収益が期待できます。主な年間作業は、草刈りと施肥です。これを逆算すると、3反あれば年間約120万円の収益が見込め、これは月に約10万円の収入となります。この収益は派手ではありませんが、趣味として楽しむには素晴らしく、また健康的な生活にも寄与します。

個人的な提案としては、オリーブ園にピザ窯を設けることで、自家製野菜とオリーブを使ったイベントを開催し、十分な集客効果が得られるでしょう。オリーブは人気が高いため、収穫体験を通じて直接販売したり、ふるさと納税の返礼品として提供することで、さらに収益を増やすことが可能です。睦沢町のような地域であれば、地域の特色を活かした販売戦略が功を奏することでしょう。

独立的な農業こそ、定年後の仕事には理想だよd[×・-・]b

定年後の仕事選びに際して、起業やフランチャイズ加盟は選択肢として存在しますが、これらの選択には高いリスクが伴います。特に、人生の残り時間が未知数である中、退職金を全て投資するのは賢明ではありません。一方で、農業に従事することは、田舎への移住を意味し、住居費の節約が見込めます。さらに、日常的に外での活動が健康維持に役立ち、医療費の節約にもつながるでしょう。

農業は、80歳を超えても続けられる持続可能な労働形態であり、自身のペースで作業を調整できる点が魅力です。家族が協力し合えること、そして子供や孫に自然に囲まれたふるさとを残す価値も見逃せません。農業では、投資による失敗が生じたとしても、全てを失ってしまうような事態に陥りにくいという安心感もあります。

このように農業は、生活の質を落とさずに安定した収入を得ながら、健康で充実した老後を送るための有効な手段と言えるでしょう。

定年後の仕事・ロールモデルを提案する

チバニアン兼業農学校では、中高年期の新たな生き方として、「50歳からの就農」を推奨しています。50代から徐々に農業を始め、定年を迎えるまでに収益と農業技術の蓄積を目指すことが私たちの提案です。これは、再雇用が終了する65歳からの就農開始では遅すぎると考えるためです。農業においては、四季を何度も経験し、地域社会との関係を深めていくことが成功の鍵を握ります。

年齢とともに体力が衰えるのは避けられない現実です。特にデスクワークを主とする職業に就いている方は、体力の衰えをより感じやすいでしょう。したがって、50代からの農業は、体力を維持しつつ、定年後の生活に必要な経済的自立と健康維持にも寄与すると言えます。チバニアン兼業農学校は、このような生活の質を高める農業の普及に努めていきます。

参考
体力とは|健康長寿ネット

農業アルバイトはストレス解消によい。

定年後に農業のアルバイトを始めることは、多くの研究で指摘されているように、自然の中で肉体を動かすことによるストレス解消に非常に有効です。また、農業アルバイトは大企業のような厳格な環境とは異なり、家庭的な小規模の農家で行うことが多く、収穫物を分けてもらったり、食事が提供される場合もあります。

一般に、農業は「3K(きつい、汚い、危険)」とされる職業の一つであり、労働力の確保が課題となっている業界です。そのため、仕事探しのアプリなどを活用すると、適切な農業アルバイトを見つけやすくなるでしょう。これらのアルバイトは、定年後の生活に活動の幅を持たせ、健康を維持しながら社会的なつながりも享受できる良い機会を提供します。

その他有望な定年後の仕事3選

ドローン

ドローンを活用した農薬散布は、確かに有望な仕事分野です。学校での実証実験を通じてもその潜在性が認識されているようです。主に稲作において、農薬散布作業のピークは7月から8月の2か月間に集中します。当校の経験に基づくと、行政との契約を仲介する業者からの報酬は、1ヘクタールあたり7000円から9000円で、1日に約10ヘクタールを処理することができれば、1日あたり約10万円の収益が見込めます。この計算によれば、40日間の作業で約400万円の収益を得ることができるということになり、季節限定ですが、なかなかの事業規模です。

ただし、注意すべき点としては、ドローンの初期投資に少なくとも150万円が必要になることが挙げられます。さらに、補助者の雇用も必要であり、これにかかる給与も計算に入れる必要があります。また、実際の作業に耐えうるだけの練習が必要であり、初期の段階では操作の緊張から手が動かなくなることもあるため、充分な訓練が求められます。

稲作農家としての個人的な経験からは、近隣の農家から直接依頼を受けるケースもあるため、1アール(a)あたり2000円程度で受注すると、年々依頼が増加する可能性があります。これにより、ドローンを用いた農薬散布は、新たな収入源として、また農業の効率化と現代化を推進する手段として、大いに期待されています。

露天販売(道の駅等)

集客力のある道の駅でのポップコーン露天販売は、非常に興味深いアイデアです。ご当地産のポップコーンを畑で栽培し、その場で提供するというコンセプトは、地産地消のトレンドとも合致し、消費者にとって魅力的な買い物体験を提供します。

500円で1盛りのポップコーンを販売し、目標として1日200個の販売を見込むという計画は、実現可能な目標に思えます。特に週末だけの営業となれば、兼業農家にとっても管理しやすく、販売に専念できる時間を確保できます。1日10万円の売上から15%の手数料を差し引いた85,000円の純売上は、ドローンを使った農薬散布と同様の収益性を示す可能性があります。

露天販売の変動要因として道の駅の集客力や天候の影響は考慮する必要がありますが、これらは経験を積むことで対応策を見つけることが可能です。例えば、悪天候時でも楽しめるようなカバーされた販売スペースの提供や、特定のイベント時のタイミングでの販売強化などが考えられます。

地域の特色を活かした商品は、道の駅での販売に最適です。このアイデアは、顧客に新鮮でユニークな商品を提供することで、道の駅の魅力をさらに高めることに繋がるでしょう。継続的なマーケティングと顧客のフィードバックをもとに、さらなる改善と収益化のアイデアを発展させていくことが大切です。

農家レストラン

農地でのピザ農家レストランという発想は、まさに現代の消費トレンドを捉えた素晴らしいアイデアです。農家レストランが成功するための要件である、レストランで使う食料の半分以上を自分の土地で生産するという条件を満たしつつ、ピザに必要な野菜を自分の畑で育てることは、地産地消の理念にも合致します。

「ピザ畑」を作り、そこで収穫した食材でピザを提供するというのは、訪れる客にとって非常に魅力的な体験になるでしょう。露天のテーブルでの食事は開放的な空間を楽しむことができ、ピザ窯で自分で焼く体験は、参加者にとって忘れがたい思い出になります。また、インスタ映えする要素は、SNSを通じた口コミ効果を高め、集客に大きく寄与します。

収益モデルとしては、1人4000円で収穫放題、食べ放題を提供し、一日30人の受入れが見込めるというのは、非常に良心的な価格設定です。農地のスペースを活用して、こうしたイベントを定期的に開催することで、一定の収益を確保することができるでしょう。

チバニアン兼業農学校がこのような新しい試みを積極的に取り入れ、推進していく姿勢は、学校の魅力を高め、農業に対する新たな関心を喚起することに繋がるでしょう。これからもこのようなイノベーティブなアイデアを追求し、農業の新たな可能性を開拓していくことが楽しみです。

里山年金の作り方

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