ジビエ活用(猪、鹿など)

獣害

日本の里山地域は美しい風景や生態系を持っていますが、その一方で、鹿キョンハクビシンアライグマ等の野生動物との共存の課題が年々深刻化しています。これは農業人口極端な高齢化により、農地を守ることができなくなってきたことが大きな理由です。獣害は、地域にとって大きな悩みの種です。当校の圃場でも何度か、猪害に襲われ、せっかく植えたポップコーン用のとうもろこしやさつまいもが掘り起こされてしまったことは前述しました。その近隣の民家では、庭に猪が現れて高齢者の生活を脅かしています。しかし、この問題を収益に変える方法があるのです。それが捕獲による報奨金とジビエとしての活用です。

一部の自治体では、これらの動物捕獲することで報奨金が支給されています。例えば、睦沢町の場合、イノシシやニホンジカを1頭捕獲すると1万円の報奨金が得られます。キョンの場合は、1頭につき7500円が支給されます。大体、千葉県の行政では報奨金として、それぞれの種類による支給や箱罠自体の提供などを行って、獣害対策に努めている現状があります。

しかし動物を捕獲し、さらに屠畜することは誰にでもできるわけではありません。そこで、近年始まった専門の捕獲代行サービスを紹介します。これらのサービスは、罠にかかった動物を代わりに捕獲してくれるだけでなく、報奨金申請の代行までを行ってくれます。ただ捕獲した獲物自体の肉を活用することを目的としたサービスのため、捕獲者が肉を利用することはできなくなります。

このくくり罠などの罠には、狩猟の免許が必要となります。年二回ほどこの試験が各都道府県主催で行われ、この免許を持つことで、一定の制限下で罠を仕掛けることが可能となります。くくり罠の場合、30ヵ所を上限に仕掛けることができるため、定期的に見回り、捕獲が確認されれば、場所によりけりですが、捕獲代行サービス(ジビエ工房茂原)に連絡するだけで獣を引き取ってくれます。しかし罠に関しては、長期間の継続的な修練と努力が必要なことを抑えておいてください。

またジビエは、欧米などで高級食材として評価されており、日本でもその需要が高まってきています。猪や鹿の肉は、低脂肪で高たんぱく、さらにはミネラルやビタミンが豊富とされ、健康志向の人々に支持されています。また、地域資源を活用したジビエ料理は、観光資源としても注目されています。報奨金で改めて、再購入することで、更なる活用も考えられます。

このくくり罠や獣害に対する講義などは、都会の人たちには新鮮な体験で、この体験自体がアクティビティとして人気が高いです。そのため、ある程度習熟した後には、イベントとして、罠を仕掛ける実演を行い、その後バーベキューなどでジビエを楽しむようなことも検討してください。

 ポイント 

??狩猟免許の取得は、それぞれの県が主催しています?? 先着順、抽選などいろいろな形式がありますが、人気がすごく高いので早めに調べておく必要があります??