肉牛放牧

耕作放棄地に電気柵を張り巡らせ、そこに牛を放牧する手法は全国で確立されています。耕作放棄地を活用し、広い範囲で牛を放牧することで、地域の荒れた農地を再生することができます。

現時点での収益モデルは、放牧牛に、仔牛を生ませて販売することですが、最終出荷までの放牧を検討することで高収益化を実現できるのではないかと考えています。具体的には、仔牛の販売ではなく、成牛の販売を目標とし、消費者の口元まで直接届ける方法を考えるのです。

屠畜後には、農家レストランでシュラスコ(ブラジル式バーベキュー)を提供する仕組みを構築することも考えられます。肉牛放牧によって育った赤身の肉は、シュラスコのような料理に適しており、肉牛放牧と農家レストランの連携によって、肉牛に高付加価値をつけ、高い値段で販売することが可能になります。

一頭あたりの売価については、肉牛の品質や肥育期間、需要と供給のバランスによって異なりますが、通常売価120万円から300~500万円となる可能性があります。バーベキュー方式でもできるので、土日のみ営業の農家レストランで販売できないかと検討しています。

また冬場は草が生えないため、その間の給餌についても検討する必要があります。草地の管理や飼料の確保、冬期に適した給餌方法の導入など、季節や環境の変化に合わせた対策を行う必要があります。

飼料に関しては、地域の特産品や地元の飼料を活用することで、地域資源の有効活用を促進することもできます。例えば、放牧時には地域で栽培された草や飼料を活用することや地元で余った農産物の再利用も考えられます。

観光客や地域住民を対象にした体験型イベントや牛の餌やり体験、散歩体験などを提供することで、地域の観光資源としての価値を高めましょう。肉牛放牧は、耕作放棄地の再生と地域の発展を結びつける重要な取り組みです。地域の特性や需要に合わせた戦略的なアプローチを行いながら、肉牛放牧を通じて「里山年金」を実現しましょう。