国民は知らない「食料危機」と「財務省」の不適切な関係

本の概要


国民は知らない「食料危機」と「財務省」の不適切な関係

今回、いま話題の森永卓郎氏と鈴木宣弘氏の共著による講談社新書を読んだ。森永氏は、一億総農家化を訴え続けている。体制から反発を受けながら己の正論を主張する方は、もはや稀有な存在である。すい臓がんに打ち勝って、ぜひ長生きして欲しい。実は、森永氏の博物館にも訪れたら、館前の喫煙所で煙草をスパスパと吸われていた、まあ、だからがんにもなったのかと思うが、元日本たばこの人だからしょうがないよね。

さて、今回の本はとても読みやすく、一気に数時間で最後まで読み終えた。結論的には、資本主義の行き過ぎや地球温暖化などの要因により、近い将来に日本では、食料危機が起き、自給率の低い都会から飢餓が起こると警鐘を鳴らす。

森永氏の発想では、日本人一人ひとりが自ら農業を行うことにより、近い将来に起きる食料危機を克服できるという。この発想は、まさにチバニアン兼業農学校の趣旨に繋がっている。当校も食料自給率の議論をするのではなく、単純に農業を自ら行えば、自分と家族の自給率100%を達成できる。意味のない議論より、実践。

何もない日常では、食料危機予測を誰もが笑うかもしれないが、国際情勢や経済の変化は急激で、さらに温暖化は止まらない中、起こりうる未来である。この本は、ぜひ読んで欲しい。

目次より抜粋


第一章 世界経済はあと数年で崩壊する

世界のどこかで核戦争が起きれば日本人は飢え死に/「一億総農民」になれば飢えない/農地を買えなくしてしまった農水省/ビル・ゲイツの「デジタル農業」で東京がスラム化/資本主義は人間の命を大事にしない/「虫が食わないキャベツ」は逆に危険/一番インフレに強いのは米/富裕層は庶民の一万倍も環境を汚染している/地球環境はあと五年で壊れる/「五公五民」の時代がやってきた

第二章 絶対に知ってはいけない「農政の闇」

財務省という「カルト教団」の怖さ/農業政策はお友達企業に牛耳られている/「エブリシング・バブル」は崩壊する/「バカ高い不動産」は買うべきではない/「キラキラした都会人」が真っ先に飢え死にする/もともと増税反対の岸田首相が寝返った理由/米食中心に戻せば食料自給率が劇的に改善

第三章 アメリカの「日本搾取」に加担する財務省

「米を食うとバカになる」と洗脳された/少子化対策は高所得世帯を助けているだけ/貧困と格差をなくすための「ガンディーの原理」/中国はツケを世界に回そうとしている/都合のいい日本人/アメリカは有事に援助してくれない/漁業の衰退が尖閣問題を招いた/遺伝子組み換え作物を一番食べているのは日本人/二酸化炭素以上に危険な「窒素・リン濃度」

第四章 最後に生き残るためにすべきこと

インドの輸出規制が与えたインパクト/最初に飢えるのは東京と大阪/酪農家を追い込む「七重苦」/「牛乳不足」と「牛乳余り」を繰り返す理由/「鶏卵不足」に「米不足」が追い打ち/農業を潰し国民を飢えさせる「ザイム真理教」/台湾有事になれば日本人の九割が餓死する/本当は恐ろしい「コオロギ食」/地方で続々と誕生する「生産」と「消費」の新たなシステム

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