生徒インタビュー・5期生・佐藤悠二さん(39歳)・千葉県大網白里市在住

オリーブ栽培の収益性を見込んで

佐藤悠二さんは、東京都練馬区出身の39歳。東京で塾講師として勤めていたが、心機一転、2022年に茨城県の梨農園に就職。1年間、梨の栽培を学んだ後、23年5月にチバニアン兼業農学校の5期生として、塾の派遣講師をしながら学び始めた。「チバニアン兼業農学校は、農業系の就農フェアで知りました。平山校長から説明を受け、兼業で就農できることと、睦沢町は農地が借りやすいという2点が特に魅力的に感じ、入学しました」と佐藤さんは当時を振り返る。

特に魅力だったのは、睦沢町は農業初心者でも農地を借りやすいということ。「実は、勤めていた梨農園とは当初2年契約で、修業したら農地を紹介してもらえる約束でしたが、農家さんから『5、6年はやってもらわないと独立させられない』と後になって言われ、話が違うということで退職しました。私は早く自分の農地を持って果樹農家として独立したく、チバニアンならそれが最短ルートでかなえられそうだったので通うことにしたのです」。

梨農園で働いた経験もあって、佐藤さんは果樹農家になりたいと考えていた。「果樹で新規就農する場合、苗木から育てることになるので、最初の数年間は収穫物がありません。けれども、この数年間に木を大きく、強く育てることができれば、後々、安定した収益を見込むことができます。これが、果樹の魅力だと思っています」と、果樹を選んだ理由を話す。

そんなふうに考えていたとき、チバニアン兼業農学校でオリーブ栽培の授業を行っている講師、『東京オリーブ』アドバイザーの谷山也晃さんと出会ったのです。「オリーブは頭になかったのですが、授業で詳しく学ぶにつれて、オリーブに魅力を感じるようになりました。谷山さんだけでなく、睦沢町を拠点にオリーブを栽培・搾油・販売する『房総オリーヴ』代表の金子健一さんとの出会いからも大きな学びが得られました。5年ほどかけて大きく育てられれば、後の手間は減り、収益も上がる。さらに、学校では移動させやすく、地植えと変わらないレベルで生長するポット栽培を勧めていて、面白そうだなと思いました。実だけでなく、葉も商品になるし、観賞用として販売することも可能だという収益性のロジックも納得できたので、『よし、やろう!』とオリーブ栽培を始めることを決意しました」。

佐藤さんは、塾講師との兼業という形でオリーブ栽培をスタートさせようとしているが、ゆくゆくは専業農家になることを目指している。「専業農家として必要な収益を上げるためにも、オリーブの本数をこなす必要があると考えています。最低500本、最終目標は1000本です」と力強く話す佐藤さん。今、トルコ産ゲムリックの苗木を500本入手していて、睦沢町の農地に350本、野田市の農地に150本と振り分けて育てている。「それぞれ1反程度と広くはないけれど、たくさんの本数を栽培したかったので、省スペースでできるポット栽培を選びました。ただ、地植えで栽培するとどう育つかも見てみたいので、地主さんの許可をもらい、睦沢で10本、野田で50本、それぞれ根のまわりの土を変えながら地植えしています」。ちなみに、オリーブの苗木500本、ポット、土などを合わせた初期投資の費用は250万円だとか。けっこう勇気のいる金額だが、「果樹をやるなら最初にドーンと注ぎ込んだ方がいい。その分、後で収益が上がるから」と働いていた果樹農園で聞かされていたため、思い切って投資することにしたそうだ。

千葉県内2か所に農地を借り、本格的にオリーブ栽培を始めた佐藤さん。住まいも東京から大網白里市に移した。「睦沢の農地には下道で40分ほど、野田の農地は高速で2時間半かかりますが、睦沢には金子さんがおられ、野田には谷山さんやそのお知り合いのオリーブ農家、チバニアンのオリーブ仲間も数名いますから、栽培や売り先の相談など情報交換ができて心強いです」と、多少遠くても農地に通う意義が大きいので苦ではないそうだ。「梨農園の従業員だったときは、人の農地で人の木を育てていたので、自分の思うようにはできません。でも、今は自分が借りた農地で、自分が買った苗木を育てていますから、好きなことを試せます。それが本当に楽しいです。車での長時間の移動中には、いつも『次、どんなことやろうかな?』と考えています」と、笑顔でオリーブ園を見渡す佐藤さん。オリーブの木が大きくなる5年後、どんなオリーブ園を運営しているのか、期待は大きく膨らむ。

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