地域計画記載の加工・飲食施設・農地転用許可不要に

農家レストランが作りやすくなります

人口減少や高齢化に対応するため、農振法や農地法の緩和が進められてきましたが、今度はさらに大きな緩和が行われることが、日本農業新聞で紹介されていました。「来年4月から、認定農業者が農畜産物の加工・販売施設や農家レストランを建設するために農地を転用する場合、都道府県などの許可が不要になる」という内容です。

兼業農家の立場から考えると、この緩和により農家レストランの設立が容易になることは非常に大きなメリットです。これまで6次産業化を推進してきた私たちにとって、この変更は非常にありがたいものです。しかし、いくつかの問題点も考慮する必要があります。たとえば、認定農業者だけがこの恩恵を受けられるということは、「認定新規就農者」や非認定農業者はどうなるのかという問題があります。

認定の種類については、農水省に問い合わせる必要がありますが、非認定農業者の場合、このままでは適用が難しいかもしれません。ただし、里山で農業を営んでいる場合、認定農業者と組んで事業を開始するか、農業収入を増やして認定を受けるという方法も考えられます。当校も関係会社を通じて新規認定農業者の資格を取得していますが、さらに認定農業者資格取得に向けて努力を続ける必要があります。全面禁止から一部解禁への移行は、兼業農家にとっても大きな前進だといえます。

日本農業新聞2024年5月25日号

来年4月から、認定農業者が農畜産物の加工・販売施設や農家レストランを建てるために農地を転用する場合に、都道府県などの許可が不要になる。ただし、当該施設が、市町村が定める「地域計画」に位置づけられていることが条件だ。転用面積の規模に制限はない。

農水省は、農地法施行規則と農業振興地域整備法(農振法)施行規則を改正し、農地転用の新たな特例を設ける。改正案は6月12日まで意見を公募し、来年4月1日に施行する。6次産業化など農業経営の多角化を促す狙い。

新たな特例により転用許可が不要となるのは、地域で生産された農畜産物を5割以上使う農畜産物の加工・販売施設や農家レストラン。他に、園芸ハウスや農機具倉庫といった農業生産施設も対象となる。

地域計画は農地利用の将来図を定めるもので、市町村が2025年3月末までに策定する。転用を計画する認定農業者は、施設の位置や種類、規模、転用時期などを市町村に伝え、地域計画に記載してもらう必要がある。その際に市町村が、周辺の営農に支障がないかを確認する。

現行でもハウスや農機具倉庫といった農業生産施設で2アール未満のものに限り、転用許可を不要とする特例がある。この特例は認定農業者以外の農業者も対象で、来年4月以降も引き続き利用できる。

参考URL
加工・飲食施設など農地転用許可不要に 地域計画記載で4月から/日本農業新聞
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