毎日新聞2024年3月4日号掲載

無理なく就農サポート

兼業農家の育成に特化した国内初の農学校だ。仕事を持っているが農業もやってみたいという人たちに、栽培技術から農地取得、販路開拓の仕方まで実践的なノウハウを提供し、支援している。

「仕事を辞めずに無理なく就農する道のりをサポートしたい」と、再生可能エネルギーを手がける「おひさま総合研究所」(千葉市緑区)が2022年1月に開校した。平山泰朗社長(5)が校長を兼務している。

受講期間は3カ月。睦沢町の学校農場が拠点となるが、毎週火・木曜日夜にウェブ会議システム「ZOOM」を使った2時間の講義▽週末に同町や君津市、日本農業実践学園(水戸市)などで計100回の実習▽千葉市内で月1回の座学――と受講生の本業との兼ね合いに十分配慮した教育課程を設定している。

講師はベテラン農家や農業委員会関係者らが務め、ネット通販や農家レストラン、観光農園など6次産業化のための講義もある。修了後も継続して支援するといい、この2年間で約180人が修了し、県内をはじめ神奈川県や茨城県で約70人が就農した。

君津市の山間部に広がる実習農場のオリーブ園では2月中旬の日曜、7期生となる受講生18人が肥料をまいたり、虫を防いだりする実習作業などに汗を流していた。埼玉県から参加した40代の男性会社員は「今の職場で働き続けながら副収入をで得たい。引退後の専業も視野に、技術や知識を身に付け、仲間作りもしたい」と話した。

平山校長は「農業だけで生計を立てるのは難しいが、定年後、年金に加えて月10万円程度を得るのは容易だ。50代に就農し、少しずつ技術を習得しながら人間関係を築くのが望ましい。農業を通じて人生を豊かにし、耕作放棄地や担い手不足の解消などにもつなげたい」と話した。【高橋秀郎】

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