兼業農家一問一答
<12 平山校長 #なぜ君は兼業農家になれないのか?
兼業農家っていうのは、農業ともう一つ別の仕事をもっている世帯員がいる農家のことだね。厳密には、第1種兼業農家(農業所得>兼業所得)と第2種兼業農家(農業所得<兼業所得)があるよ。
大体の場合、自分が望んでなったのではなく、家系が農家で、それだけでは食べていけないから兼業農家になった場合が多い。
なんで、なれないの?
厳密にはなれないのではなく、なりづらいということ。農家になるには、農業の技術及び一定の規模以上の農地を通作できる範囲に住んでいることも要件。ただ都会の人で、経験もなく農業やりたいなあ~という人は、大体審査で落とされるよね。
どこで農業技術を身に着けられるの?
いろいろとあるけれど、それ自体がはっきりとしていないから、そもそもなりづらい。例えば千葉であれば、農業大学校に1年行けば、認められやすくはなるけれど、実際仕事休んでいける筈ないのさね。
変な話、農家の家に生まれれば、全く手伝わなかったとしても農地を持てる、耕作放棄地が全国的に増える中、兼業農家を認めてこなかったのは、失策だったと認める動きもあるよね。
例えば市民農園を借りるというのは?
もちろん、それでも農業をやりたいという目標は実現できるよね。しかしながら、融資はとれないし、農地取得資格までとらないと兼業でもある程度本格的な副業はできないよね。
なぜ兼業農家を勧めるの?
農の雇用事業の研修生の離農率が35.4%というデーターがある、いわゆるこれが理想と現実の差-これを踏まえると今十分な収入があるのに、それを捨てて、いきなり専業農家になる必要ある?そもそも奥さん納得しないよね?どうしてもやりたかったら、兼業からはじめて、ゆっくりと専業化に向けて進んでいけばいいと思うのさ。
ちなみに離農しなくても、2018年の調査だけれど、就農5年後で生計が成り立っていると答えた人は、約半分。しかも「おおむね10年以内の新規就農者の収入金額から必要経費を差し引いた農業所得の平均値は109万円」だそうよ。
お金だけじゃない魅力や価値が農業にあるのでは?
その通り。しかしその考え方が農業を神聖化してしまっている気がするね。ちなみに収入が足りない新規就農者は他で補っている訳だから、結局兼業農家とも言える。ならばきれいごといわずに初めから兼業農家を検討してもよいのでは?
兼業農家になれば、本当に儲かるの?
絶対に儲かるとは言えないけれど、Youtuberやせどりなどを副業にするよりは、はるかに確率が高いよ。なぜならば栽培ってのは結構確立されていて、投下した資本と労働力である程度見込みはたつよね。もともと、他で十分な収入を得ている分、田舎に来た分生活費も安ければ、すでに儲かっていると言えるよね。特に都会からの移住者は、ネットなどに強いし、都市住民に人脈があるので、そこからの販売なんかも考えられる。
では、どうすればよいの?
当校に限らず、と言っても他に兼業農家に特化した学校がないからなんとも言えないけれど、例えば週末農業を積み重ねて、農地を探し、売買、もしくは賃貸の許可をもらえれば、農業委員会にアタックする。で、農業委員会に当たり外れがあるので、当たるように祈っています。
千葉はどうなのよ?
千葉を進める理由は、まず通勤に便利ってこと。テレワークが進んでもいざという時あるからね。また農泊や道の駅、農家レストランやる時には、首都圏の集客力は半端ないよ。その点も魅力、その割には耕作放棄地は多いので、いくらでも農地はある。
そもそも兼業農家って何?