兼業農家におけるコミュニティの重要性

兼業農家のコミュニティとは?

一般的に親元就農ではない兼業農家の場合、機械や施設がなく、また農業に費やす時間も週末や祝日に限られてしまいます。このことを前提だと限られた栽培物、農地面積となってしまうでしょう。この不利な状況を補うために、格安での機械の導入や先進的な知識を得る必要がでてきます。省力で収益性の高い作物、兼業農家でも使える補助金、地元の支援農家などの情報を積極的に得ることで、ローリスク・ローリターンで収益を上げることも可能となります。

一時期、「集合知」という人が集団化することにより、知識が醸成され、正確な判断ができることが言われていました。まさに兼業農家の一人ひとりは弱いけれど、サラリーマンでもあり、ITの利用に長けた人たちですので、集まれば、新たな在り方の兼業農家を実現できるということになるのではないでしょうか?

世の中には、専業農家のコミュニティしかない現実

実際、兼業農家のコミュニティに参加しようとしても、当校の持つコミュニティ以外には存在しないという現実があります。一般的に、専業農家のコミュニティは、「農家」というコミュニティに括られてしまい、専業、兼業に関わらず、どちらも参加が可能な訳ですが、結局大勢が専業農家のため、方向性としては専業農家前提の考え方になってしまいます。また本業で専業農家に対して、兼業の立場では、どうしても肩身が狭いのも自然な流れです。僕自身も、様々な農業コミュニティに参加しており、コミュニティの意義や意味を感じますが、そもそも立場が違うので兼業農家の在り方のようなものは学びにくいと思っています。

ブレーメンの音楽隊としての兼業農家

新規就農した積極的な兼業農家の交流する意義は、その経歴や立場にあります。例えば、当校で一番多い職業が、実はパイロットの3人と聞くとみなさん、驚かれるかもしれません。また建築士、測量士、行政書士、公認会計士、自衛官、各種公務員、そして一般的な会社員が当校の修了生です。会社員の方々も、それぞれ様々な仕事をしており、いざ農業を販売しようとした際には、知恵や販売先を提案してくれます。このような職種による多様性は、逆に専業農家よりも充実していると言えるでしょう。

また50代が多いのも特徴で、定年後の新たなキャリアを農業を通じて見つけたいという考え方が根底にあると思います。折角、数十年かけて作ったキャリアや知見、人脈などを様々な方法で情報交換することにより、農業に活用できるというのも大きな利点です。

グループウェアの活用

当校では、サークルスクエアというグループウェアを活用し、現生徒及び修了生が継続的に情報交換や学習できる場を用意しています。具体的には、様々な目的を持ったチャットを用意し、そこにそれぞれの生徒が情報を発信することができます。また過去の授業のアーカイブや資料などもいつでも閲覧が可能です。スケジュールやアンケートを利用することで、自分の収穫の援農を募集したり、機械を共有する、最新情報を共有する仕組みが整っています。ほとんどの人がサラリーマンのため、チャットの総量は月間150~300程度ですが、ちょうどよく、消化できる量かと思います。

また当校としては、LINEなどで関係者同士の連絡網を作ることを禁止してませんので、近くの方々が学校外でももっと頻繁に連絡をとっているでしょう。最近は、約200名近くの集団となってきましたので、消耗品などの共同購入なども行い、初期投資を安くする方法を追及しています。今後より集団が大きくなることで、機械・施設の共有、作業の相互扶助、情報の最新化及び最大化、費用の低減を目指していきたいと考えています。

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元々1番なのに、集合知で兼業農家のさらに最先端をいくd[×゚д゚]ハッ!