有機農業、オーガニック農業って何?じっくり解説


有機農業のススメ

なるべく自然を生かした形で、作物を作っていくというのは、当たり前の流れで、日本自体は遅れていたと思うのですが、ようやく農水省も有機農業を推進していく姿勢を見せ始めました。さて、兼業農家の立場としては、有機農業自体には反対ではないのですが、いかんせん、時間がない人がほとんどですので、難しいという事情もあるのです。しかし有機栽培で、かつ兼業農家に向いている作物群もあると思いますので、SDGsの観点からも推し進めて行きたいと考えています。

有機農業とは?その特長とメリット

有機農業は、化学肥料や化学合成農薬を使用せず、自然の力を最大限に活用して農作物を生産する方法です。この農業方法は、土壌の健康を維持・向上させることを重視し、持続可能な農業を目指しています。有機農業の最大の特長は、環境への負荷を最小限に抑えることができる点です。化学物質を使用しないため、土壌や水源の汚染が少なく、生態系を守ることができます。

実際の研究データによると、有機農産物は、化学物質の残留が少ないため、消費者の健康にも良いとされています。特に、アレルギーや感受性が高い子供や高齢者には、有機農産物の摂取が推奨されています。しかし、害虫や雑草の対策に手間がかかる、収量が減少する可能性があるなどのデメリットも存在します。それにも関わらず、日本でも有機農業への関心が高まっており、多くの農家が取り組んでいます。国際的にも、有機農業の市場は拡大しており、2020年には全世界で約1兆円の市場規模となっています。

有機農産物と認証制度

有機農産物は、有機農業で生産された農産物を指します。これらの農産物は「有機JASマーク」で識別することができます。このマークは、農林水産省の基準を満たした農産物にのみ付与されます。消費者はこのマークを見ることで、安心して有機農産物を選ぶことができます。しかし、オーガニックや有機の表示が全て認定されたものではないため、購入時には注意が必要です。

認証制度は、消費者と生産者の信頼関係を築くための重要な役割を果たしています。しかし、認証を取得するためのコストや手間がかかるため、小規模農家にはハードルが高いという課題もあります。日本の有機農産物の市場は、認証制度の導入により、年々成長しています。2020年のデータによると、有機農産物の市場規模は約2000億円となっており、これは10年前の約2倍の規模です。

有機栽培と無農薬栽培の違い

有機栽培と無農薬栽培は、似ているようで異なる栽培方法です。有機栽培は、化学肥料や化学合成農薬を使用しない栽培方法ですが、自然由来の農薬は使用可能です。一方、無農薬栽培は、農薬を一切使用しない栽培方法を指します。しかし、「無農薬」という表記は現在推奨されていないため、消費者は「特別栽培農産物」という表示を確認することが大切です。

有機栽培と無農薬栽培の選択は、農家の考えや環境、目的によって異なります。どちらの方法も、環境や健康に配慮した農業を目指している点では共通しています。しかし、それぞれの方法にはメリットとデメリットがあり、農家はそれを考慮して最適な方法を選択する必要があります。例えば、無農薬栽培は、農薬を使用しないため、農産物の品質や安全性が高まるとされています。しかし、害虫や病害に対する対策が難しく、収量が減少するリスクがあります。

世界の有機農業の動向

世界的には、有機農作物の売上が上昇しています。特にEUでは、有機農業の普及が進んでおり、多くの国が有機農業の支援策を打ち出しています。共通農業政策(CAP)や各加盟国の支援など、有機農業を推進するための取り組みが進められています。日本もこの流れに乗り遅れないよう、有機農業の普及を目指しています。

また、新興国でも有機農業への関心が高まっています。特に、アフリカやアジアの国々では、有機農業を通じて持続可能な農業を実現しようとする動きが見られます。これらの国々では、伝統的な農法が根付いており、有機農業への移行が比較的容易であるとされています。しかし、技術や資金の面での課題も多く、国際的な支援が求められています。

参考サイト
有機農業の栽培マニュアル(農研機構)
有機農業をめぐる事情
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