第4号 忙しい社会人でもできる! 週末兼業農家のはじめ方とコツ・月刊チバニアン

チバニアン兼業農学校は、平日は会社勤めをしながら「兼業で農業をしたい」「農的な暮らしを日常に取り入れたい」という社会人のための農業学校です。

とはいえ、「週末だけで本当に農業ができるのか?」「農地もないし、街の暮らしで農業は無理なのでは?」といった不安の声を耳にすることも少なくありません。そこで今回は、社会人が週末を活用しながら農業を学び、実際に収入を得られる段階まで到達するための道筋についてお話ししたいと思います。

週末や平日夜に学べる農業学校

農業を学ぼうとしたとき、多くの人が最初に思い浮かべるのが「農業大学校」でしょう。各都道府県に設置されており、社会人向けのコースを持つ学校も増えてきましたが授業は1~2年かけて行われるため、時間的負担は決して小さくありません。本格的に農家を目指す人には農業技術や経営を体系的に学べる魅力がありますが、趣味や自給的な暮らしの延長で農業収入を考えている人、あるいは副業として兼業農家を目指す人にとっては、少し重たすぎる側面もあります。

非農家の人が「専業レベルではなく、兼業や副業として、あるいはリタイア後に農業を取り入れたい」と考えた場合、これまではそういうことを学ぶ場所も、情報も、相談できる相手もほとんどありませんでした。

そこでチバニアン兼業農学校では、社会人が通いやすく、継続しやすい学びの場をつくることを第一に考えました。週末に実習を行い、座学はすべて平日夜にオンラインで実施。さらにオンライン授業はアーカイブで視聴できるので、仕事や家庭の事情でリアルタイムに参加できなくても安心です。「今週は忙しくて授業を受けられなかった」という人でも、あとから自分のペースでしっかりキャッチアップできます。

期間は3カ月と短期に設定しています。もちろん、3カ月で農業の知識や技術が身につくわけではありません。本校では、兼業農家としてどう農業に向き合っていくかという”型”をつかむことを重視し、以下のようなカリキュラムに取り入れています。

  • 限られた時間で作業を効率化する方法
  • 農地の取得方法とサポート
  • 兼業農家に向いた作物の選び方
  • 販売戦略
  • 地域コミュニティとの調和
  • 農家のための確定申告や税務の基礎
  • 自給的な農業の実践ノウハウ

3カ月のカリキュラムが終わっても実習やオンライン授業にはその後も永続的に無料で参加できます。講師に直接質問することも可能です。就農してからこそ出てくる疑問も多いもの。学びが止まらないよう、継続的なバックアップ体制を整えています。

さらに、本校の大きな特徴として「サークルスクエア(グループウェア)」を利用したWEBコミュニティがあります。ここで修了生同士がつながり、情報交換やイベント企画、ときにはビジネスパートナーや顧客になることもあります。兼業農家は仲間づくりがとても大切ですが、サークルスクエアはその土台となる場所です。

本校では農業実習そのものはほとんど行っていませんが、芝山町の農家さんがつくる『農事組合法人白桝』が、新規就農者向けの実践的な実習をサポートしてくれています。希望者は『農事組合法人白桝』のWEBサイトから参加申し込みができるので、アクセスしてみてください。プロ農家から学びたい人にはうってつけです。

就農した修了生が援農を募集することも多く、こうした情報はサークルスクエアで共有されます。援農に参加することで技術も磨け、関係性づくりにもつながります。 最後に、兼業農家である以上、週末しか作業できない前提を忘れないことが重要です。短期間で結果を求めすぎず、長い目で営農スタイルを作ること。専業農家の真似はせず、必要以上の投資は控え、自分の生活と調和する作物を選び、無理なく続けられる農業をつくる。これこそ兼業農家の成功の秘訣です。

社会人をしながら週末だけで農業収入150万円を得る方法

では実際のところ、週末だけの兼業農家でどれくらいの売上を見込めるのでしょうか。作物や栽培規模、販売方法によって大きく変わりますが、ここでは私が「兼業農家が取り組みやすい」と考えているサツマイモを例にお話しします。

サツマイモは4月下旬~5月下旬に苗を植えつけ、収穫は9~10月。生育中はほぼ放任で育ちます。草取りなど最低限の管理は必要ですが、水やりや手入れに追われることはないので、作業時間が限られる兼業農家でも取り組みやすい作物です。ただし、利益を上げるためには販売方法に工夫が必要です。収穫したサツマイモをそのまま袋詰めして販売したり、農協に卸したりしていては限界があります。そこで私が提案したいのが「焼きいもの店頭販売」です。狙うのは休日に人でにぎわう道の駅やマルシェ。兼業農家にとってまさに”週末勝負”の販売スタイルが組み立てられます。

生産は5~10月、販売は10~翌3月と時期を分けられるのも強みです。1年を通して、休日のみで農業経営ができます。サツマイモ自体に「地元産」「掘りたて」「有機栽培」などの付加価値を加えれば、さらに販売力が上がります。

仮に焼きいも1本500円とします。1日に100本売れれば5万円。月に5日営業したとして25万円、10~3月の半年間で150万円という計算になります。もちろんすべてが計算どおりにはいきませんが、人が集まる場所であれば決して非現実的な数値ではありません。

150万円分の焼きいもをつくるには、約3000個のサツマイモが必要です。1株から3~5本ほど収穫できるので、おおむね1000株あれば目標数量は確保できます。1000株というとものすごい量に感じるかもしれませんが、一般的にサツマイモは反収3000?5000株が目安とされるので、兼業農家でも十分耕作できる広さです。

私自身、焼きいも販売には以前から注目しており、学校でも近々チャレンジしようと考えています。導入のためにつぼ焼き芋器もひとつ購入しました。まずは小さく始めて、「売れる」「いける」とわかってから規模を広げていく。このやり方なら初期費用の回収リスクも抑えられ、兼業だからこその安全なスタートが切れます。 何より伝えたいのは、「すぐに結果を出そうとしなくていい」ということです。本業を持ちながらの兼業農家は、あせって収益を出す必要はありません。リタイア後など時間に余裕ができたときに向けて、現役時代はじっくりと準備を進めていけばいいのです。

兼業農家だからこそ6次産業化を狙え。あると役立つ「食品衛生管理者」

兼業農家が安定して収益を伸ばすには、「限られた時間で生産性をどう高めるか」が大きなテーマです。作業時間や作れる農作物が限られる以上、付加価値をつけて単価を上げる方向は避けられません。その有力な手段が、収穫した農作物を加工して販売する「6次産業化」です。

ジャム、漬物、焼き菓子など、自分の畑で採れたものを使って商品をつくる場合、必要となる資格がいくつかあります。その代表が「食品衛生管理者」や「食品衛生責任者」です。特に食品衛生管理者は、食品の加工・製造・販売における衛生管理を担う専門資格で、営業許可の取得や設備立ち上げ時にも重宝します。

重要ポイントを分けると以下の通りです。

  • 保健所とのやり取りがスムーズになる
  • 消費者からの信頼性が高まる
  • 実務上の衛生管理能力が備わる

資格は講習を受ければ取得できますが、会社員にとってハードルが高いのは、それが多くの場合平日しか開催していないこと。しかも、通常2~3日かけての講習となるので、有給を利用しないと受講しにくいのが現実です。24時間いつでも学べるeラーニングもありますが、時間の管理やモチベーションの維持が苦手な人には向かない場合があります。また、講師にその場で質問できないことや、動画やテキストだけで学ぶため理解が浅くなりがちです。

そこで本校では、土日祝日に1日6時間ほどの受講で資格取得をめざせる講習を準備中です。社会人でも無理なく参加でき、疑問点はその場で講師に質問可能。講習後すぐに実務に落とし込めます。

兼業農家の場合、生産規模を大きくして売り上げアップを狙うのは現実的ではありません。それよりも加工など付加価値をつけて単価を上げる方向へ舵を切るほうがうまくいきます。畑で採れたサツマイモを焼きいもに、生姜をシロップに、果物をジャムに──。生産量が同じでも農作物をそのまま販売する場合に比べて、加工をすることで売上は大きく伸ばせます。

時間がないからこそ付加価値をつけるのが合理的なのです。それが今すぐできないとしても、将来に備えて食品衛生管理者資格を持っておくと選択肢が広がります。 講習会の日程や申込方法は週末を前提に調整中。準備が整い次第案内します。興味のある方はぜひご検討ください。兼業農家として次の段階へ進む大きな一歩になるはずです。

これからの兼業農家という新しい道

かつて農業は「専業でなければ成り立たない」と考えられていました。しかし、時代は変わっています。テクノロジーの発展、働き方の多様化、販路の広がりによって、兼業だからこそ成立する農業のかたちが増えました。

会社員として安定収入を確保しながら週末に農作業を楽しむ──土に触れ、季節の移ろいを感じ、地域とつながり、人との関係を育む。兼業農家ならではの利点は、単なる収入だけでなく、生活の質の向上や社会とのつながりにも及びます。

これからの農業は「会社員をやめて農業に専念する」のではなく、「会社員を続けながら暮らしに農を取り入れる」時代です。新規就農者であっても、兼業として農業を始めることは十分可能なのです。

従来の新規就農は専業前提で、国の政策も専業農家中心でした。兼業農家を意識した支援策は少なく、情報やノウハウも限られていました。チバニアン兼業農学校では、これまでなかった「兼業で農業を始める道」を作ることに挑戦しています。

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