今日アクセス:7698人 / 累計アクセス:417896

なぜ君は農家になれないのか?👨‍🌾

チバニアン・ベースとは?

チバニアン・ベース(以下「ベース」)とは、兼業就農を前提とした当校独自の進化型集団農場です。「ベース」は「拠点」や「基地」を意味し、修了生が集い、相互扶助のもと作業分担や自動化を通じて徹底的な省力化を実現しています。これは、かつて農村に存在した「結(ゆい)」の機能を、現代風にアレンジしたものともいえるでしょう。

ベースは単なる省力化の仕組みにとどまらず、拠点としての役割も果たします。兼業就農者にとっては、収益や作業負担の軽減に加え、仲間と時間を共有することも大切です。同じ価値観を持つ人たちが集まることで、自然の中で心豊かな時間を共有できるのも大きな魅力です。

ベース設立の背景

兼業農家は本業があるため、農作業に割ける時間が極めて限られています。「週に1日しか作業できないが、定年後には収益を得たい」という課題を解決するには、知恵や労力を持ち寄り、助け合う体制が必要です。

たとえば、防草シートで草刈り作業を軽減し、自動かん水装置で水やりを省力化するなど、環境整備によって一人あたりの作業時間を大幅に削減しています。また共同で作業することでも負担を軽減することができます。

兼業農家のチーム戦という特色

専業農家が個人戦であるのに対し、兼業農家は「チーム戦」が可能です。全員が本業を持ちながら週末に農作業を行うため、お互いの事情を尊重し、無理のない分担を模索する姿勢が求められます。また専業農家は初年度から収益を上げないとならないですが、本業を持つ兼業農家は数年後の収益でも可能です。この特性を活かし、栽培ポットを集積し、自動化、簡略化による省力化を目指すのです。

また、集団化によって講師からの指導も参加者間で共有され、ネットを活用した情報交換により、最新の農業情報や販売先の開拓も可能となります。つまり同じ拠点で就農を行うことで知識の共有及び標準化も可能となります。

ベースに適した果樹栽培やポット栽培

兼業農家は週1回程度の作業が基本となるため、作業負担の少ない栽培方法が求められます。現在は、ルートプラスポットを用いたオリーブ栽培を推奨しています。

ポット栽培により移動性・換金性が高まり、密植による省スペース栽培も可能です。また、転勤や相続といった事情にも対応し、他のベースへの移動も柔軟に行えます。

当校では、防草シートの活用で除草作業を省き、横から空気を取り込んで成長力を高めるルートプラスポットを採用し、省力化を徹底しています。

兼業農家は本業収入があるため、初年度の売上に縛られず、5年後に高収益が見込めるなら問題ありません。その意味でも、時間はかかるが高付加価値の果樹栽培は、兼業農家に適していると言えます。

市原ベースの事例

市原市安須にある「市原ベース」は、修了生が相続した農地と古民家の有効活用を検討したことから始まりました。参加者は30名超、オリーブのポットは2000本を超えます。

首都圏全域からの参加者が月1回~数回集まり、共同管理を実施。自動かん水装置や防草シートを活用し、作業の省力化を図っています。

また、定期的な懇親会や、空きスペースを活用した畑作やキャンプなど、自由度の高い活動も特徴です。たとえば、札幌市在住者のポットを他の参加者が預かるなど、新たな試みも進行中です。

首都圏に広がるベース

ベースは現在、市原市・柏市・野田市・袖ヶ浦市・横浜市などに設置されており、すべて修了生によって自主運営されています。今後は、生徒の希望が多い市川市・千葉市・草加市での新設を検討中です。

ベースを構えることで、地域で新たに農地を借りる機会も増加しています。農家人口の急減と高齢化により、担い手不足が深刻化しているため、新規参入でも「学校」という信用から農地を借りやすくなるのです。

新しい兼業農家像への挑戦

このように当校は、既存の農家像とは異なる、新たな農家の在り方を提案しています。

たとえば、睦沢町で稲作を行い、市原市でオリーブを育て、柏市で菌ちゃん畝の管理を行う――それを週1回の時間でこなし、本業と両立しながら、将来的な本格就農への備えとするのです。

都市部で働くサラリーマンが、里山の資源とつながりながら自立を目指す。そのための実践知を提供するのが、チバニアン兼業農学校の使命だと思っています。

なぜ君は農家になれないのか?
当校の特徴
入学案内