私たちは何を捨てているのか~食品ロス、コロナ、気候変動

私たちは何を捨てているのか
本書は、食品ロスという身近な問題を入り口に、私たちの社会が抱える食料システムの歪みを鋭く描き出した一冊です。日本では年間約4兆円もの食べ物が捨てられていると言われますが、本書はその数字の背後にある構造を丁寧な取材とデータで明らかにしていきます。
コロナ禍のパニック買いの裏側で廃棄される食料、牛乳や恵方巻の大量廃棄、コンビニのビジネスモデル、さらには貧困や気候変動との関係まで、食品ロスが単なる「もったいない」の問題ではなく、社会構造そのものと深く結びついていることがわかります。レビューでも「生活様式を見直すきっかけになる」「食品ロスの本質が理解できる」と高く評価されているように、本書は読む人に強い気づきを与えてくれます。
特に印象的なのは、食べ物を捨てるという行為が、単に食材を失うだけではなく「命」「労働」「自然環境」を同時に捨てているという視点です。食料は自然と人間の労働が結びついた成果であり、その価値を理解することが持続可能な社会への第一歩だと気づかされます。
チバニアン兼業農学校の立場から見ると、この問題は決して遠い話ではありません。兼業就農は、地域で小さく生産し、顔の見える形で食を循環させる取り組みです。大量生産・大量廃棄の仕組みから距離を置き、食べ物の価値を実感できる暮らし方とも言えるでしょう。本書は、私たちが日々の食卓でどんな選択をしているのかを問い直し、農業や食のあり方を考えるきっかけを与えてくれる一冊です。
本の概要

私たちは何を捨てているのか
食品ロスは、コロナ禍やウクライナ侵攻、気候変動など、地球規模の事件と繋がっており、貧困や飢餓の問題にも影響を与えている。社会問題として複雑に絡まった因果関係を、多数の事例を挙げながら丁寧に解説する。牛乳、コメ、卵など身近な食べ物をめぐる話題から賞味期限と消費期限、ごみ問題まで、私たちの生活と直結する内容が満載。
コロナ禍のパニック買いと食品ロス/食料高騰と貧困のスパイラル/生ごみを焼却する日本は時代遅れ/食品ロスを減らせば「手取り」が増える …持続“不可能”な食料システムを暴く!
各メディアで紹介
□ラジオ日本「エシカルWAVE for SDGs」(2025/6/2)著者出演
□公明新聞(2025/6/2)久保田裕美さん書評
□日刊ゲンダイ(2025/5/28)で紹介
□ABEMAヒルズ(2025/5/19)著者出演
□東京新聞(2025/5/10)、西日本新聞(2025/7/12)高橋真樹さん書評
□週刊エコノミスト(2025/5/13・20合併号)で紹介
□第三文明(2025年6月号)に著者インタビュー掲載
□グローバルネット(2025年4月号)で紹介
□プレジデントオンライン(2025/4/7・4/8・4/9)で紹介
□朝日新聞SDGs ACTION!(2025/4/7)著者連載「井出留美の「食品ロスの処方箋」」
□京都リビングエフエム(2025/3/24)著者出演
□月刊Hanada(2025年5月号)「食品ロスの真実」著者インタビュー
目次
はじめに
第1章 パニック買いの背後で捨てられる食べもの
1 コメが消えた夏
2 「新しい生活様式」は食品ロスを減らしたのか?
3 世界一パニック買いをした国
4 コロナの時代の食品ロス
第2章 日本の食の「捨てる」システム
1 大量売れ残りと廃棄を前提としたビジネス
2 牛乳5000トン廃棄の裏事情
3 賞味期限―厳守ではないことを書き足す知恵
4 牛乳の「賞味期限」で一人ひとりが考えるべきこと
5 「捨てる」が組み込まれた大手コンビニのビジネスモデル
6 高騰する卵の価格から、安すぎる日本の食を考える
第3章 貧困をめぐる実情
1 世界をおおう食料高騰と貧困の波
2 食品ロスと貧困支援をつなぐフードドライブとは
3 子どもの食と居場所はなぜ大切なのか
第4章 ごみ政策と食品ロスの切っても切れない関係
1 減らすポイントは「量る」こと
2 ごみゼロを実践する
3 ごみ焼却率ワースト1の日本
4 分ければ資源・混ぜればごみ
5 捨てるのをやめてつくり出す、飼料も肥料も燃料も
6 新たな解決策を高校生が切りひらいた事例
第5章 気候変動とほころんだ食料システム
1 食品ロスは温暖化の主犯格?
2 世界の食品ロスの不都合な真実
3 「食品ロス削減」が気候変動対策に加わったCOP28
4 世界の食料システムのほころび
5 日本の食料システムのほころび
第6章 食べものを捨てるとき、わたしたちは何を捨てているのか
1 食品ロス削減は何につながるのか
2 食品ロス削減のカリスマが説く「三つの3」
3 食べものを捨てるとき、わたしたちは何を捨てているのか
4 自然から頂戴する―『北の国から』に学ぶSDGsな生き方
おわりに
初出一覧
参考文献




