第2号 週一農業を実現する進化型集団農場「チバニアン・ベース」・月刊チバニアン

ベースの仕組みと3つのメリット


何千本のポットがある市原ベース

私たちチバニアン兼業農学校では、「チバニアン・ベース」(以下「ベース」)という仕組みをつくっています。これは修了生が農業を実践し続けるための拠点であり、農業の練習の場でもあり、仲間とつながる場でもあります。

ベースは、いわば集団農場のようなものです。あるいはシェアハウスにも似ているかもしれません。本校や修了生が借りた農地に、そこでの耕作を希望するメンバーが集い、共同で農作業をしながら管理していく仕組みです。メンバーは本校の修了生が対象で、各ベースには管理者が置かれ、独自に運営されています。

将来的に新規就農を目指している修了生にとって、「ベース」への参加には三つのメリットがあります。

一つ目は、農業を始めたいと思ったときに最初の大きな壁となる「農地の確保」です。本校では農地の探し方についてもアドバイスをしていますが、農地の所有者にアプローチするのは営業活動のような側面があり、苦手とする人も少なくありません。さらに、仕事を持ちながらだと時間も限られ、農地探しはなかなか進みません。しかし、ベースに参加すれば、その問題を容易に解決できます。

二つ目は、仲間を得られることです。昔から田舎には「結(ゆい)」と呼ばれる地域の助け合いがありますが、まったく新しい土地に一人で飛び込むと、地域の輪に入れず孤立するケースもあります。会社ではチームで動いていた人が、農家になるとすべて自分一人の責任でやることになります。しかし、集団農場であるベースには志を同じくする仲間がいます。一人でやる不安や孤独を和らげてくれますし、人手が欲しいときには共同作業が可能です。特に兼業の場合、週に1回しか畑に通えない人も多いですが、共同で管理することで限られた農作業時間をフォローし合うことができます。

三つ目は、リスクを負わずに農業を実践できることです。仮に個人で広い農地を借りられたとしても、作物を育てた経験のない人がいきなり農業を始めるのは簡単ではありません。管理しきれない恐れがありますし、作物もうまく育つとは限りません。しかし、ベースを利用すれば実践の場として農業を学ぶことができます。知識と技術を身につけてから個人で農地を借りれば、失敗の可能性を減らせます。いわば、農業の練習の場にもなるのです。

市原から始まったベースの第一歩


仲間と協力して開墾する様子

最初のベースは2024年9月、市原に誕生しました。広さは1.2ヘクタール。本校の修了生が広すぎる農地を持て余してしまい、一緒にやる仲間を募ったのがきっかけです。市原は気候的にオリーブ栽培に適しているため、本校でも力を入れているオリーブのポット栽培を活動の中心に据えました。オリーブは実を収穫するだけでなく、苗木を育てて販売したり、葉を加工品にしたりと出口が多様にあります。野菜ほど頻繁な世話を必要としないのも、週1?2回しか作業できない兼業農家に向いています。

現在は21名が参加。自然農による畑やハーブ栽培など、活動の幅も広がっています。農地付き物件で家屋があり、風呂やトイレを利用できるのも大きな利点です。宿泊も可能なので、遠くから通う人にはありがたい環境といえます。

その後、ベースは横浜、柏、印西、野田にも展開し、川口や袖ケ浦でも準備が進んでいます。

畑作から果樹、稲作まで。どんどん広がるベースの活動


横浜市青葉区・田植えの様子

横浜ベースは最初に2000平方メートルを借りたのですが、近隣の農地所有者から「うちの畑も借りてほしい」と声がかかり、今では5倍の1ヘクタールまで拡大しました。さらに今後も広がっていく予定です。農地は全国的に余っており、田舎に行けば耕作放棄地だらけです。各地にベースができれば、その周辺の遊休農地も取り込み、修了生が活動できるようになります。耕作放棄地の問題解決にもつながりますし、修了生にとっても農業を始めやすくなります。

横浜ベースには現在40名が参加し、野菜のほか、オリーブやレモン、フィンガーライムのポット栽培、さらに自然栽培による稲作も共同で行っています。もともとブルーベリー農園だったため、その運営も引き継いでいます。

基本的に農地は区分けしてそれぞれ個人で管理しており、広さは相談のうえで決定しています。希望があれば10アール規模も可能ですが、来られる頻度を踏まえて管理できる広さを選ぶことが大切です。

印西ベースは2025年8月にスタート。広さは3200平方メートルで、耕作放棄地だったためメンバーで土地の再生から取り組んでいます。管理者は実験栽培やイベントも構想しており、兼業農家の拠点としての今後の展開が楽しみです。

各ベースの規約や会費はそれぞれですが、基本的には個人の区画で自由に作業できます。会費は年間1万円程度と大きな負担にはならず、共同使用するものがあれば按分します。

今後も修了生へのアンケートをもとに希望の多い地域を調べ、良い農地があれば本校が借り、その後の運営は参加者に任せていきます。そうすることで修了生が農地を確保しやすくなり、農業の第一歩を踏み出せるのです。

仲間と農業を学び、将来的な独立を目指す


横浜市青葉区・菌ちゃん畝づくり講義

ベースは貸農園で行う趣味の家庭菜園とは違います。その先にあるのは、収益を目的とした農業です。ベースの一番の魅力は、同じ志を持った仲間と一緒に農業を学び、経験できることにあります。人と人とのつながりは、農業ではとても大切なことです。仲間がいるから励まされ、孤立することもありません。

専業農家のように毎日畑に立てなくても、週に1回、あるいは月に数回でもベースに通うことで着実に知識と技術を身につけられます。

これは将来的なビジョンですが、全国各地にベースができれば転勤や引っ越しがあっても、その地域のベースで農業を続けられます。「土地に縛られずどこでもできる農業」という新しいスタイルです。実際、都内に住みながら横浜や千葉のベースに通っている人もいます。

近い将来、農家として独立することを目指す人はもちろん、今すぐではなく定年後や生活に余裕ができてから本格的に取り組みたいと考える人にとっても、ベースでの経験と仲間とのつながりは大きな財産になります。

農地を借りたいけれど自分一人では不安がある、仲間と一緒に農業を楽しみたい――。そんな希望をかなえるのがベースです。

2025年9月NEWS

13期入学受付開始

2026年1月開始の13期入学の受付を開始しました。いま入学いただければ、12期中途の授業から受講することも可能です。また今回紹介のベースにも参加可能となります。入学を検討される方は、9月23日20時からのオンライン説明会をはじめとして、トップページ上部から簡単に参加できますよ。

季刊地域 秋号掲載予告

季刊地域 秋号(63号)2025年11月号(10月6日発売予定)に、校長の寄稿「定年後コンビニバイトしたくない人のため里山年金」が掲載されます。

二地域居住推進フォーラム2025出展

二地域居住推進フォーラム2025
9月26日~28日
東京ビッグサイト 西ホール

菌ちゃん畝作り講座開催予定

菌ちゃん先生から学ぶ野菜づくり講義+実践 in 千葉県印西市
10月4日
ホテルマークワンCNT
菌ちゃん先生から学ぶ野菜づくり講義+実践 in 横浜
10月5日
横浜市青葉公会堂

千葉市ベース開設予定

修了生の希望多数ということで、千葉市花見川区、若葉区にベースを今年度中にオープン予定です。

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