続 使い切れない農地活用読本 もっと:小さくはじめる、楽しく稼ぐ

続 使い切れない農地活用読本 もっと:小さくはじめる、楽しく稼ぐ

まず嬉しかったのは、私たちチバニアン兼業農学校が紹介されていたことです。本の中で実際の活動事例として名前を出していただけるのは、やはり大きな励みになりますし、これまでやってきた取り組みが社会的にも評価されていると感じられました。

本全体としては、「小さくはじめて、無理なく農業を楽しみながら稼ぐ」というテーマが一貫していて、兼業農家の立場から読んでも非常に実践的で参考になりました。特に、農地の下限面積撤廃の影響については、本の中でも詳しく触れられており、これが小規模新規就農のハードルを一気に下げていることがよくわかります。以前は一定面積以上の農地を確保しなければならなかったため、土地の確保や資金面で諦める人が多かったのですが、この規制緩和によって「まずは小さく始めてみる」という選択肢が現実的になりました。

また、この本の魅力のひとつは、粗放栽培を中心に29品目が具体的に紹介されている点です。粗放栽培とは、手間やコストをできるだけ抑えながら長く収穫できる作物を育てる方法で、忙しい兼業農家にとっては理想的な栽培スタイルです。紹介されている品目は、果樹からナッツ類、ハーブ、観賞用植物まで幅広く、どれも「これなら自分でもできそう」と思えるものばかり。特に、耕作放棄地や使い切れない農地をうまく活用できるアイデアが豊富で、「土地はあるけど何を作ればいいかわからない」という人には大きなヒントになると思います。

私自身、この本を読んで特に興味を持ったのがヘーゼルナッツです。ナッツ類は加工や販売の幅が広く、粗放栽培にも向いているため、長期的な収益源として魅力的です。本で得た知識を実際に生かすために、チバニアン兼業農学校としては、早速ヘーゼルナッツ栽培の研修に生徒を派遣する計画を立てました。机上の知識だけでなく、現場での経験を積むことで、より確実に成果につなげられると考えています。

この本を通して感じたのは、「農業は大規模にやらなければならない」という固定観念が、少しずつ変わってきているということです。小規模でも、計画的に、そして楽しみながら取り組めば、ちゃんと収益を上げられる。そのための具体的な方法や作物選びのヒントが、ぎゅっと詰まった一冊でした。

兼業農家やこれから農業を始めたい人にとって、この本はまさに実用的なガイドブックです。読むだけでなく、「じゃあ、自分はまず何から始めようか」とワクワクしながら計画を立てられる内容だと思います。私にとっても、生徒にとっても、新しい挑戦のきっかけをくれた一冊になりました。

本の概要

2023年4月、農地取得の下限面積が廃止となりました。これによって、小面積の農地の貸借が急増し、子育て世代や定年退職世代の非農家を中心に「小さい農業」が広がっています。また、各地で小さい農業を育てる学校や体験農園が人気となり、修了後は農地を取得して専業農家になる人も出てきました。

本書は、半農半Xや有機農業で人を呼び込み、余った農地をフル活用して地域を元気にする「使い切れない農地活用読本」の続編であり、「小さい農業」を始めるときの手引きとなります。「I まちで、むらで 小さい農業を始める」では、都市近郊の「マイクロファーマーズスクール」や農村部の「烏川体験農場」を中心に、農業以外の仕事をしながら自給自足暮らしを目指す人や農家と一緒に農業を学ぶ場をつくる人など、農的LIFEを楽しむ人を育てる仕組みを紹介。「II 手間をかけずに農地を活かす」では、稼げる品目(ヘーゼルナッツ、アーモンド、ムクナマメほか)や、粗放栽培に向く品目(枝物、ヨモギ、クランベリーほか)、獣害に強い品目(イタドリ、カモミール)など、遊休農地におすすめの32品目を解説します。「III 知っておきたい 農地の制度と法律」は、実際にあった農地の法律相談など、身近な話題がテーマになっています。そして「IV みんなで農地を守る」は、人と農地の問題をどのように考えていったらよいか、地域での話し合いによる「地域計画」の作成の仕方や農地を守る組織づくりの実践を取り上げました。

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