農家レストランを開業しようd[×・ェ・]/

最近、よく農家レストランという言葉を聞くことが多くなりました。農家がやっているから?農地に立っているから?田舎にあるから?といろいろと疑問もあるでしょう。今回は、農家レストランを詳しく解説してみます。

まず農家レストランには、制度的定義と一般的な呼称としての二種類の意味合いがあるのです。制度的定義では、もともと国家戦略特区において、農家レストラン(この場合は農地に設置できる)の意義が検証され、特区から全国的に展開できるようになったものです。

特に意味があるのは、要件を満たしていれば、農地に施設を設置でき、地目も農地のままでよいという点が、開設者にとって大きなメリットとなります。(通常は、地目が雑種地や宅地に変更となり固定資産税が大幅に課税される)

また一般的な呼称としての利用では、農家がとれたて野菜や肉を利用してレストランを運営する場合です。農園の近くにある場合なども農家レストランと呼ぶ場合があります。

今回は、前者の制度的定義の意味での農家レストランに関して解説しますd[×´з`]b

参考URL
農家レストランに係る国家戦略特区の全国展開について(農林水産省)

農家レストランの背景

農家人口は、5年ごとの農業センサスで統計をとられているが、毎回大幅に減少し、高齢化も進んでいる。その大きな理由の一つに農家収入の少なさがあげられる。また6次産業化をやりやすくするために、農地法の基準を緩和したものである。つまり農地を農地のまま農業用施設の一つとして農家レストランを追加したということとなろう。

農業振興地域の整備に関する法律施行規則
第一条三ハ
主として、自己の生産する農畜産物等若しくは自己の生産する農畜産物等加工品又はこれらを材料として調理されたものの提供の用に供する施設

農家レストラン設置の要件に関して

開設要件
農業者
農地所有適格法人
農業協同組合
6次産業化認定事業者
市内産農畜産物を5割以上使用した料理を提供する。

今回は千葉市での農家レストラン設置要件がきれいにまとめられていたので、こちらを参考に解説してみます。農地を利用するので、基本的には農家であることが求められ、その農家レストランの材料が、量、もしくは金額的に過半数以上自己生産か、もしくは市内調達になるということです。つまり牛肉のような高いものやカレーの中の米のように、この条件を満たすことはそれほど難しくないと思います。

参考URL
農家レストランの開設について(千葉市)

…とどのつまり一般人でも農家レストランができるのか?

ここが一番重要な点です。一般人が田舎に行って農家レストランやりたいと思った時、さて具体的にどうすればよいのかということを考えてみました。

一点目は、農業者になること、つまり該当地域にて農業委員会より、耕作者証明書がでる正式な農家になれば、条件を満たすこととなります。しかし今度は農家取得要件が必要となります。(農地取得、技術、適正利用要件等)

では6次産業化の認定を受けたらという考え方もありますが、これも現実的ではありません。千葉県の例を見ると、法人が中心で一部個人でも取得していますが、内容から読み解くと既に現状農家の場合が多いようです。

もともと農家レストラン自体が、農家のためにはじまった制度であることを考えれば当然のことですが、なかなか要件的に厳しいことがわかります。当校では、6次産業化の一環として、自ら農家レストランの運営をはじめようとしていますので、ご興味のある方は、ぜひ無料オンライン説明会にご参加ください。

農家レストランの実際

実際にどの程度の農家レストランが全国的に開業されているかということを調べてみたところ、既存施設としては、特区に建設されている10軒に満たない農家レストランではないかと思われます。そのため、農家レストランの特権である地目の変更なしというルールで成立したものはまだないのではないかと類推されます。そもそも地方では、農地以外にも土地が余っているため、そこを利用すれば、わざわざ農地にレストランを好んで建てる必要がないということも考えられます。結局、まだまだ農家レストランの導入数は、わずかということになるでしょう。

参考URL
農家レストランに係る国家戦略特区の全国展開について
農家レストランスープ

兼業農家の農家レストランの提案

当校は、兼業農家に特化した学校ですので、ここでも兼業農家として、どのように農家レストランを考えるかということを提案したいと思います|ェ・]y-~

初期投資を抑える

ほとんどの事業のリスクは、イニシャルコストとランニングコスト、格安の農地に建てられるからといって、施設費や設備費が高額になってしまうと本末転倒です。またイニシャルコストが高くなると収入を増やすために営業時間が長くなり、本業にしなければならない可能性も高くなってきます。最近のコト消費の観点から考えるとバーベキュー施設のような青空での利用も面白いかと思われます。

土日祝日営業だけでの営業を考える

首都圏からの入込客数が多い千葉県においても、圧倒的に集客ができるのは、週末祝日が中心となります。これは路面店の営業日からも類推することができます。つまり初期投資を抑えることにより、兼業農家の休日だけを利用して営業するということも考えられるわけです。

平日はネット営業する

例えば睦沢町で農家レストランの営業を開始する場合、集客はその近隣よりも首都圏が中心となるでしょう。当然、ネットのリテラシーや接触時間は、首都圏民が高く、長い。平日の通勤時間などにフェイスブックやツイッターなどで集客をすることに専念することができるのも兼業農家ならではの作業だと思います。