耕作放棄地解消の切り札は、放牧牛だと思う。

放牧牛とは?

子供の頃から、島で爺さんが小さな牛小屋で牛を飼っていて訪ねた際に、暗い中、見せてもらったことがある。また小中高の遠足は風光明媚な場所なので半島の突端で、そこでも牛がのんびりと草を育んでいたのヨd[×´з`]b

牛を飼うと水質汚濁とか、匂いの話がよく出るが、それは舎飼いの場合の話で、数反に二頭程度を飼うことと穀物を少なくして雑草を食べる牛の糞は、それほどの匂いがないことは、20年来実証されてきた。イメージ先行ではあるが、ファクトが本来重要だよね。

こうして放牧にアンテナを張っているといるといろいろな情報が入るし、知見を持った方々と話をすることで、自分の推測を確認できるということもある。放牧することにより、圧倒的な労働投下時間量は減るのだけれど、一方で収益は子牛販売を前提としているので、それほど高くない。

常識的に考えて、子牛ではなく、枝肉どころか焼肉販売までの肥育を行うことが望ましい。そして昨今の健康ブームで、赤身肉の人気があがっていることにも注目したいヨね。今日アグリイノベーションエクスポに行ったのだが、鹿児島大学の赤身肉を食べさせてもらい、問題なく、もっと健康的でアニマルウェルフィア的にもよいと思えた。

山口型放牧


山口県では、転作田や耕作放棄地などに電気牧柵等を設置して牛を放牧する「山口型放牧」を積極的に推進しています。肉用牛経営の省力化や遊休地の解消による農地保全などのほか、耕作放棄地がきれいになることで、イノシシなどの獣害が減少することも確認されています。たくさんのメリットがある「山口型放牧」をやってみませんか?(山口型放牧の推進について)

上記は山口県の関連ページから抜粋した文章となるが、実際に耕作放棄地を中心に飼育され、牛自体もレンタカウという名称で貸し出しをされている。現状の唯一の問題点は、放棄地で飼育する目的が肉牛ではなく、健康な仔牛を生ませるということになっているのではないかと思う。

やはり肉牛は、国産牛ということで高い価格がつきやすいし、さらに焼肉として提供できると高くなる。なので、できるならば、エンドユーザーの口に届けることが一番の高値となるのだ。

ただここで問題は、草を中心に食べさせてきたため、肉にサシが入らず、国内評価はどうしても低くなってしまう。そのため、手段が目的化してしまっているのが現状である。

山口型放牧

山口型放牧マニュアル

兼業農家と放牧

さて、手間暇が極端に省力化され、SDGs及びアニマルウェルフェアにもぴったりな放牧は、兼業農家での運営に適していると考えられる。昨今、輸入飼料の価格が高騰していることなどからも国産の不要な雑草を食べてくれるのは、収支的にもよいだろう。また昨今は、地球温暖化により、平年よりさらに雑草の繁茂が暴走しているらしい。つまり温暖化で亜熱帯化しているということのようだ。

このような観点からも、放牧牛に放棄地などの雑草を食べてもらうのはそれだけでも大きな意味があると思うが、問題は牛の売り先である。仔牛を生ませ、結局、牛舎で育てるのであれば、事業として面白くない。しかし、完全草食の場合には、国内では値がつかないことも事実である。

兼業農家は同時に農家であるので、栽培残渣や飼料用穀物を最後に利用し、牛舎経由なしで屠畜して、農家レストランなどで提供したいところです。最近、高齢化で赤身牛が流行っていることもあるし、ブラジルのBBQであるシュラスコは、基本的に赤身しか利用しない。このような調理方法で、増え続ける雑草に対峙し、しかも狡猾に収益を上げるような兼業農家が増えて欲しいと思う。

スマートフォンで牛を飼う(Youtube)

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