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なぜ君は農家になれないのか?👨‍🌾

イノシシを獲る: ワナのかけ方から肉の販売まで

イノシシを獲る: ワナのかけ方から肉の販売まで

この本は、小寺祐二氏が著した、イノシシの捕獲から活用までを網羅した実用書です。本書は、罠の設置方法や解体手順、さらには肉の販売に至るまで、具体的でわかりやすい内容が特徴です。特に、写真や図解を多用しているため、初心者にも理解しやすく、実践的な知識を身につけることができます。

本書が出版された2011年以降、イノシシによる農作物被害は増加傾向にあります。農林水産省の報告によれば、令和4年度のイノシシによる農作物被害額は約36億円に上り、依然として深刻な状況が続いています。 このような背景から、イノシシの捕獲技術や被害対策の重要性はますます高まっています。

本書では、夏場のイノシシ解体方法についても詳しく解説されています。高温多湿な夏季においては、衛生管理や肉質の保持が難しいとされていますが、本書の具体的な手順や注意点は、実際の現場で非常に役立つ情報となっています。

私が所属する兼業農家の学校でも、2025年1月にイノシシの解体講座を開催予定で、既に10名の参加希望者が集まっています。このような講座の人気は、イノシシ被害の深刻化やジビエ料理への関心の高まりを反映していると言えるでしょう。

私自身も、イノシシの罠猟免許を取得し、都内在住の生徒たちとともに獣害対策に取り組む予定です。本書の内容は、これから実践に移る私たちにとって、貴重な指針となることでしょう。特に、罠の設置場所の選定や効果的な餌の使い方など、具体的なアドバイスは現場での成功率を高めるための重要な要素です。

全体として、同書は、イノシシ捕獲の初心者から実務者まで幅広く役立つ一冊です。具体的で実践的な内容は、農作物被害に悩む農家や、ジビエ活用を考える方々にとって大いに参考になるでしょう。また、イノシシの生態や行動パターンについての解説も含まれており、被害対策を考える上での基礎知識を深めることができます。

さらに、捕獲したイノシシの肉をどのように活用し、販売するかについても詳しく述べられており、地域資源としてのイノシシの有効活用方法を学ぶことができます。これにより、単なる害獣駆除にとどまらず、地域経済の活性化や食文化の多様化にも寄与する視点を持つことができます。

本書を手に取ることで、イノシシ捕獲の技術だけでなく、持続可能な農業や地域社会との連携の重要性についても考えるきっかけとなるでしょう。これからの獣害対策やジビエ活用に向けて、一読をおすすめします。

本の概要

解説


猟師の高齢化や縄張り意識でイノシシの捕獲がはかどらない状況下、被害の当事者(農家)による捕獲が広がっている。箱ワナや囲いワナ、脚くくりワナは銃猟(猟犬)よりも低コスト省力的な、誰にでも取り組める捕獲法。しかし、不適切な捕獲は取り逃がしを増やす(捕獲効率を下げる)だけでなく、餌付け(耕地・集落への誘引・定着)を促し、かえって農作物被害を増やしてしまう。失敗しない捕獲法から食肉加工施設の運営まで解説。

目次


序章
 イノシシで町が動き出した
 猟友会から農家主体へ、駆除班を再編
 夏場の肉が臭くない秘密は「運送箱」
 イノシシ肉の特産化で人が育った

第1章
 農作物被害と人間との関わり
 イノシシと日本人との関わり
 分布域拡大の原因を探る

第2章
 農作物被害対策としての捕獲
 まずは守りを固めてから
 進入防止柵による被害防止
 被害対策に適した捕獲方法
 イノシシ捕獲に関連する制度

第3章
 箱ワナ・囲いワナによる捕獲
 箱ワナ・囲いワナの基本
 箱ワナ・囲いワナの構造
 食性を踏まえた誘引エサ
 イノシシ捕獲の実際
 捕獲後の移動と捕殺

第4章
 脚くくりワナによる捕獲
 ワナの基本的な特徴
 ワナ設置の基礎技術
 ワナを設置する場所
 ワナに横木を設置
 ワイヤーロープの固定

第5章
 捕獲したイノシシの活用
 学術データの収集
 解体から加工まで
 流通・経営のポイント

読者カード

持ち山、畑など猪に荒らされ困ったあげく 自己流でくくり罠と箱罠をつくり年間15頭前後 捕獲できています。小寺祐二先生のこの本は非常にわかりやすく多くの知識を授けていただきました。今後もより多くの猪の駆除、捕獲をめざしたいと思っています。ミートスライサーを購入して精肉にして家族は元より知人多数も喜んで食べてくれます。とりわけ孫たち(男の子ばかり10歳以下3人)は猪肉がなくなると”じーちゃん、山へ猪をとりに行こう”と言ってくれます。(岡山県・誰が言ったか”倉敷のマタギ”より・64歳)

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