食料危機の未来年表 そして日本人が飢える日

食料危機の未来年表 そして日本人が飢える日

この本は、学者の視点から世界的な食料事情を明らかにしています。しかし、タイトルから具体的な解決策や日本の食料危機の詳細を期待すると、少し混乱してしまうかもしれません。内容は学術的で、専門的なデータや分析が多く、一般の読者には情報が多すぎて活用しにくい印象を受けました。

最近の「年表」形式の本が流行していますが、この書籍もその流れに乗ったもののようです。ただし、実際には学術論文のまとめのようで、読み物としての学びや驚きは感じることはできませんでした。

それでも、この本を通じて、世界の食料自給率の低下や、日本が直面する食料問題の深刻さを理解することができます。特に、世界的な食料事情が日本に与える影響については、考えさせられる部分が多いです。また多くの人がこの問題に対して意識を持っているということでもあるでしょう。

最終章では、現行の農地法が農業の発展を妨げているという指摘があります。しかし、この法律を改正するだけで新たな就農者が増えるとは考えにくく、より包括的な対策が必要だと感じました。

全体として、食料問題に関心があり、深く学びたい方には有益な内容かもしれません。ただ、一般の読者が手に取る際には、少しハードルが高いかもしれません。

本の概要

日本の食料自給率は38%──実際は18%でしかなかった!有事における穀物支配国の動向やサプライチェーンの分断、先進国の食料争奪戦など、日本の食料安全保障は深刻な危機に直面している。本書は182か国の食料自給率を同一基準で算出し世界初公開する。先進国の「隠れ飢餓」という実態を暴く。

著者略歴・高橋五郎


愛知大学名誉教授(中国農業論・アジアの食料問題)、中国経済経営学会名誉会員(元会長)。主な著書:「農民も土も水も悲惨な中国農業」(朝日新書)、「新型世界食料危機」(論創社)、「日中食品汚染」(文春新書)、「デジタル食品の恐怖」(新潮新書)、「チャイナ・トリックス」(イーストプレス新書)、「中国が世界を牛耳る100の分野」(光文社新書)、「海外進出する中国経済」(日本評論社・編著)「中国土地私有化論の研究」(日本評論社)他。

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