新規就農者が過去最少

日本農業新聞、新規就農者が過去最少の論説

今日、日本農業新聞で「新規就農者が過去最少」という記事が掲載されました。一般的に、不況や不安定な時期には農業への新規参入者が増える傾向にあります。しかし、今回の減少は非常に懸念すべき状況です。

現在、農業従事者の人口は来年には100万人を下回り、2030年には50万人を切ると予測されています。この急激な減少は、日本の食料の安定供給に深刻な影響を及ぼします。日本の少子高齢化が止められないのと同様に、この問題も個人の努力だけで解決することは困難です。

では、農業者が減少すると何が起こるのでしょうか?単純に言えば、私たちの食卓に欠かせない食料の安定確保が難しくなります。その解決策の一つとして、兼業農家として農業に取り組むことが挙げられます。

しかし、兼業農家であっても、食料の安定供給を実現するためには数年の準備期間が必要です。皮肉なことに、本当に食料確保が危うくなった際には、新たに就農することすら難しくなる可能性があります。そこで、以前から計画していた「自給自足の学校」を、なるべく早めに開校することを考えていきたいと思います。

新規就農者が過去最少

新規就農者の減少に歯止めがかからない。2023年の新規就農者は、前年比5%(2380人)減の4万3460人で過去最少を更新、 働き先として農業を選ぶ人が減っている。きょうは自民党総選。新総裁には農業所得の確保など、若者が夢を描ける農政を展開してほしい。

農水省によると新規就農者の数はデータのある06年から減少の一途をたどる。23年は、06年(8万1030人)の半分まで落ち込んだ。若手の新規就農者も減り続け、49歳以下は1万5890人と、前年比5.8%も減った。

内訳を見ると、実家の農業に携わる「親元就農者」が3%(1070人)減の3万330人、農業法人への就職など「新規雇用就農者」は12%(1270人)減の9300人だった。農地や資金を用意してから農業を始める「新規参入者」は3830人。ここ数年伸び続けていたが、4年ぶりに減少に転じた。

背景にあるのが人材獲得競争の激化だ。少子化が進んで人手不足が深刻化し、企業間で人材の奪い合いが起きている。まして農業は生産資材の高騰が長期化し、厳しい局面にある。大地を耕し、命を育む農業に魅力を感じていても、違う就職先を選ぶ人が増えたとしても無理はない。

度重なる気象災害や高齢化で離農が進む一方、新規就農者が減れば、生産基盤の弱体化は避けられない。25年ぶりに改正された食料・農業・農村基本法が目標に掲げる食料自給率の向上も遠のく。

新規就農者の減少を食い止めるために何が必要か。何より重要なのが、再生産が見込める農業所得の確保だろう。資材高騰で農業経営は悪化している。帝国データーバンクによると、今年の米農家の倒産・廃業件数は過去最多を更新する見通しだ。まずは資材コストを反映した適正価格の実現に向け、国は仕組みづくりを急いでほしい。

多様な担い手の確保も欠かせない。改正基本法では、大規模農家だけでなく、小規模家族農業や女性、移住者など多様な農業人材の確保を重視する方針を打ち出した。来年の新たな基本計画策定に向けた議論では、その具体策について重点的に議論すべきだ。

立憲民主党の代表選に次いで自民党総裁選が行われる。立憲民主党の新党首となった野田佳彦は、新規就農者の確保へ「令和版の国立農業公社」の設立を提唱した。

農業は、人と農地などの生産基盤がなくては成り立たない。自給率向上や食料安全保障確保を訴えるのでああれば、価格競争に巻き込まれない安定した農業経営の実現が不可欠だ。近いうちにあるとされる衆院選でも、農政について活発に議論すべきだ。(日本農業新聞.20240927)

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