北の国から 家族4人で幸せ自給生活: 住まい・水・電気・薪・衣食までぜんぶ
北の国から 家族4人で幸せ自給生活: 住まい・水・電気・薪・衣食までぜんぶ
この本は、三栗祐己さんと三栗沙恵さん夫妻が、家族4人で北海道の山奥に移り住み、自給自足の生活を実践した体験を綴った一冊です。
著者の三栗祐己さんは、東京電力での勤務を経て、東日本大震災を機に退職し、家族とともに自給自足の生活を始めました。 彼はパーマカルチャーの理念を取り入れ、自然と調和した持続可能な暮らしを目指しています。
本書では、住まいの建設から始まり、水や電気の確保、薪ストーブの導入、衣食の自給まで、具体的な取り組みが紹介されています。例えば、プレハブで建てた住まいに断熱施工を施し、自作のトイレや風呂を設置する過程が詳細に描かれています。 また、太陽光発電を活用した電力の自給や、井戸掘りによる水の確保、薪ストーブによる暖房など、エネルギーの自給方法も具体的に説明されています。
さらに、家庭菜園やコミュニティ菜園での野菜の栽培、ニワトリの飼育、手作りの保存食や調味料、衣類の自作など、食や衣の自給に関する実践的な知識も豊富に盛り込まれています。これらの取り組みは、無理のない範囲で楽しみながら行われており、読者にとっても実践可能なヒントが多く含まれています。
本書は、豊かさを追求する現代社会へのアンチテーゼとも言えますが、著者の実体験を通じて、自分にもできるかもしれないという希望を感じさせてくれます。文章は平易で読みやすく、専門用語も少ないため、初心者でも理解しやすい内容となっています。ただし、価格が1,980円(税込)とやや高めに感じるかもしれません。
全体として、無理のない形での自給自足生活の魅力を伝える本書は、これから自給自足を始めたいと考えている方や、持続可能な暮らしに興味がある方にとって、参考になる情報が満載です。特に、家庭菜園や手作りの保存食など、すぐにでも実践できるアイデアが多く紹介されており、日常生活に取り入れてみたいと思わせてくれます。
また、著者夫妻のブログやSNSでも、日々の暮らしや新たな取り組みが紹介されており、本書と併せて読むことで、より深く自給自足の生活を理解することができます。これらの情報源を活用し、自分なりの自給自足生活を始めてみてはいかがでしょうか。
本の概要
東日本大震災を機に東京電力を辞め、一家で北海道の山奥に移り住んで自給生活を始めた著者。プレハブで建てた住まい、自作したトイレや風呂、断熱施工、自前の水・電気、薪ストーブ、菜園や顔の見える関係で手に入れる食べ物、手作りの保存食や調味料、衣類…。お金のためでなく、食べていくための暮らし。この本では、笑顔あふれる一家4人での生活から見えてきた、暮らしを手作りする楽しみ、働きすぎず穏やかに生きるヒントを大公開。遊び、働き、学びが暮らしと一体になった「遊暮働学(ゆうぼどうがく)」を始めるには?
著者について
三栗祐己(みつくり ゆうき) 自給自足の専門家。11年間のサラリーマン生活の後、タイのジャングルに当時6歳と2歳の子どもを連れてパーマカルチャーを学ぶ。家庭菜園、薪割りなどをしながら、暮らしや仕事の作り方を教える講座で収入を得る「遊暮働学」の暮らしを実践。工学博士。
三栗沙恵(みつくり さえ) 東日本大震災を経験し、電気を使いすぎない暮らしに興味を持ち、発酵食品の研究を始める。味噌や梅干し作りから始め、漬け物、納豆、野草ご飯、服作り、石けん作りなど、手作りの暮らし全般に研究の対象を広げている。「麹の学校」認定講師。