兼業農家の戦い方 -2025

兼業農家の戦い方 -2025

本校も今年で開校4年目を迎え、約4ヶ月ごとに新たな期を迎え、とうとう10期目となりました。3年間、兼業就農に特化した運営をしてきたことで、新たな兼業農家の在り方が見えてきました。農業知識に乏しい私たちのような兼業農家は、独自の進化を遂げていると言えるでしょう。そして、専業農家と兼業農家の違いも明確になってきました。

専業農家は、初年度から売り上げを作るために、農地、機械、家などをすぐに取得する必要があるため、機会費用が高くなる。しかし、兼業農家は本業があるため、すぐに利益を上げる必要がなく、結果として機会費用が低くなる

この点については、本校としても日々実感しており、実際に就農した生徒たちも同様の体験をしています。農業者の多くは後継者不足に悩んでおり、引退する際には農地、機械、家などを誰かに継がせる必要があります。そのため、初年度は兼業で農業をしながら様子を見ていても、他に継承者がいなければ、自然と対象者となっていくのです。結果的に、2~3年あれば、専業農家と比べて格安で全てを手に入れ、定年後に無理なく農業を始めることができるようになります。

兼業農家は、専業農家のやっている農業を真似てはいけない。統計的に、本業でさえ儲かりづらい農業を、副業で儲けられるはずがない。

一般的に農業を始めようとする人は、専業農家のような栽培を目指しがちです。しかし、様々な面で制約のある兼業農家は、専業農家と同じようにできるはずがありません。週末限定の栽培時間、二拠点生活という状況では、一般的な野菜を出荷することは難しいでしょう。つまり、専業農家と同じ土俵で戦ってはいけないのです。

二拠点での兼業就農は、土日を中心に活動すると言われるが、実際にはほとんどの人が土曜日か日曜日のどちらか一日しか来られない。土日両日ではないのだ。限られた一日で収益を上げる作物を栽培するしかない

夏休み前の計画授業によくあるように、朝はラジオ体操、朝食、勉強と意気込んでも、ほとんどの人は実行できません。平日は仕事で忙しい中、週末に数時間かけて農作業をするのは大変なことです。この現実を踏まえ、より現実的なスケジュールと収益計画を立てる必要があります。

専業農家は個人戦、兼業農家はチーム戦ができる

上記の状況を踏まえ、それでも兼業就農をするならば、兼業農家はチームで戦うことができるという強みがあります。例えば、市原市のオリーブベースでは、17名で1000本近くのオリーブを管理し、水やりを交代で行うことで日常業務を軽減しています。剪定や収穫の際には、人員を集中させることで、作業効率を上げることができています。また、ポット栽培を採用することで、場所に縛られず、転勤や相続にも柔軟に対応できます。

これらの点を踏まえ、時間、空間、費用などの制限がある中で、それでも栽培できる作物として、本校では薬草、早生桐、果樹、枝物、営農型太陽光、農家レストラン、販売手法などを提案し、不利な状況を克服して収益を上げることを目指しています。ローリスク・ミドルリターンを狙うことが、兼業農家の本質と言えるでしょう。

新年を迎えても、兼業農家の状況は大きく変わらないと思われます。今後もさらにブラッシュアップを重ね、首都圏サラリーマンのわがままを叶える、魔法学校(ホグワーツ)を目指していきます。

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