農地を借りる前に知っておくべきこと—兼業農家の「最初の壁」とその越え方

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農業系のYouTubeを深夜に見ながら、気づいたら1時間経っていた

そんな経験、ありませんか。土をいじる動画を見て、無農薬野菜の本を読んで、週末は産直市場に足を運んで。でも「じゃあ実際に農地を借りてみよう」という一歩だけが、ずっと踏み出せないでいる。
農業に興味がある人は多い。でも、最初の一歩を一人で踏み出せる人は、ほとんどいません。やる気がないわけではない。体力に自信がないわけでもない。では何が邪魔をしているのか。
多くの場合、その答えは「農地の壁」です。農業を始める前に、農地という制度の現実にぶつかって、そこで止まってしまうのです。
問題の本質は「農業が難しい」のではなく「農地に近づけない」こと

農業技術そのものは、やりながら学べることがほとんどです。野菜の育て方は、栽培を始めてから身につければいい。本当の問題は、そこではありません。
農業を始められない理由は、やる気がないからではありません。始め方を知らないだけです。「始め方」の中で最もわかりにくいのが、農地の取得・利用に関する法律と手続きです。
農業委員会、農地法、農地バンク。これらの言葉を聞いただけで、壁の高さを感じてしまう人も多いでしょう。でも、正しく理解すれば、この壁は必ずしも越えられないものではありません。
原因1 農地はスーパーで買えるものではない

農地を農地として使うために売買・貸借する場合には、農地法第3条に基づく農業委員会の許可が必要です。つまり、いくらお金があっても、農業委員会が認めなければ農地を借りることも買うこともできません。
農業委員会が確認する主な要件は次のとおりです。営農日数として年間150日以上の農業従事、農業を行う技術・知識があること、農地を効率的に利用できること、そして農地から現住所まで合理的な距離であること。これらすべてが審査対象となります。
会社員として働きながら農業をしたい場合、「150日以上の農業従事」という要件が最初のハードルになります。週末と休日だけでは日数が足りないと判断されるケースも少なくありません。令和6年(2024年)に農地法が一部改正され、最低農地面積の要件が廃止されるなど、条件は以前より柔軟になっています。しかし、「誰でもすぐに農地を借りられる」状況にはなっていないのが現実です。
農業は、畑に立つ前から始まっています。まず制度を理解することが、農業を始める第一歩なのです。
原因2 一人で始めようとするから、続かない

農業で折れるのは、体力よりも孤独です。初めて農業をやるとき、わからないことだらけです。種まきのタイミング、肥料の量、病害虫の見分け方、農機具の使い方。ネットで調べてもわからないことは山ほどあります。
近くに相談できる農家の先輩がいれば、ちょっとした疑問もすぐ解決できます。しかし一人で始めると、壁にぶつかるたびに「向いていないのかもしれない」という気持ちになってしまいがちです。
実際、兼業農家として農業を続けている方の多くは、「誰かと一緒に始めた」か「相談できる人が近くにいた」という共通点があります。農業は、技術だけでなく、コミュニティがあってこそ続けられるものです。仲間がいれば、農地の情報も入ってきます。「うちの隣の畑が空いているよ」という話は、農業委員会の掲示板より地域のつながりから聞こえてくることのほうが多いのです。
原因3 専業農家を目指しすぎて、身動きが取れなくなる

「農業を始めるなら、ちゃんとやらなければ」と考える方は多いです。でもその「ちゃんと」が重荷になって、一歩も踏み出せなくなっているケースがあります。仕事を辞めないからこそ、農業に挑戦できる人がいます。
兼業農家として始めることには、大きなメリットがあります。本業の収入があるため、農業が黒字になるまでの期間を焦らず過ごせる。農業が思うようにいかなくても、生活が揺らがない。少しずつ経験を積みながら、自分のペースで農業の規模を広げていける。
「兼業だから中途半端」ではありません。「兼業だから続けられる」のです。最初から完璧な農家を目指す必要はない。まず小さく始めて、経験を積むこと。それが兼業農家として長く続けるための王道です。
チバニアン兼業農学校が実践してきたこと

チバニアン兼業農学校では、これまで首都圏在住の会社員・公務員・自営業の方を中心に、288名の方が兼業農家として就農しました。会社員を続けながら1年以内に農地を確保した方、農業委員会の許可取得まで一緒に準備を進めた方、就農後3年以上継続して農業を続けている方。そうした実績が、この学校の土台になっています。
農地は「借りる」から始める
農地を購入するよりも、まず賃借から始めることをおすすめしています。農地バンク(農地中間管理機構)を通じた賃借や、地主との直接交渉など、複数の選択肢があります。農地を探す際に最も重要なのは、地域のコミュニティとのつながりです。農業委員会への申請よりも先に、地域の農家さんとの関係づくりを始めることが、現実的な農地取得への近道です。
農業委員会の許可を得るための準備
「この人は農業をきちんとやれる」と判断してもらえる実績と準備が必要です。農業体験や研修への参加、農業日誌のつけ方、営農計画書の書き方。こうした準備を一人でやるのは難しいですが、知っている人と一緒にやれば難しくありません。
仲間と一緒に始める
同じ志を持つ仲間とのつながりを大切にしています。農業を始めたばかりの方同士が情報交換できる場、先輩農家から話を聞ける場を用意しています。一人では解決できなかった問題が、コミュニティの中では意外と簡単に解決することは珍しくありません。
今日からできる具体的なアクション

1. 自分の居住地の農業委員会のウェブサイトを見る
市区町村には必ず農業委員会があります。農地の貸し借りに関する相談窓口の情報や、農地バンクへの登録農地の一覧が掲載されています。まず「自分の地域の農地の現状」を知ることから始めてください。
2. 農業体験または農業研修に1回参加してみる
農業委員会への申請を将来見据えると、研修・体験への参加実績は重要です。また、農業体験は「本当に自分は農業が好きか」を確かめる最良の機会でもあります。週末1日から参加できる農業体験は各地で開かれています。
3. 兼業農家として就農した人の話を聞く
チバニアン兼業農学校では、オンライン説明会を定期的に開催しています。農業雑誌やウェブの記事では得られない、就農した先輩のリアルな経験談を聞くことができます。
まとめ あなたが動けない本当の理由は、やる気ではない

ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
農業を始めたいのに、なぜか動けない。その原因は、やる気の問題ではありませんでした。農地法の仕組みを知らないから、どこから手をつければいいかわからない。相談できる人がいないから、一人で抱え込んで疲れてしまう。ただ、それだけのことだったのです。
今日この場で「よし、農業を始めよう」と決める必要は、まったくありません。ただ、ひとつだけ。仕事を続けながら、小さく農業に関わっていく生き方が、現実的にあるということ。その事実を頭の片すみに置いておくだけで、「いつかやりたい」という気持ちは、少しだけ具体的になるはずです。
もし、ほんの少しでも気になったなら、ぜひ一度、無料オンライン説明会にお申し込みください。農地の探し方・農業委員会申請の準備の進め方・就農した先輩のリアルな話を1時間でお伝えしています。「どうせ難しいんでしょう」と思っている方ほど、参加後に「意外となんとかなりそうだ」と感じていただくことが多いです。決断はあとでいい。まずは話を聞くだけで、あなたの選択肢は確実に広がります。
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